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音声外科の求人募集、一般の耳鼻咽喉科では診察できない領域とは?

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耳鼻咽喉科に通院する患者の多くは「風邪の症状」を理由にしている、と言われます。耳が遠い、アレルギー性鼻炎、あるいは喉の炎症…といった直接部位に関する問題の解決を望む患者も少なくありませんが、実際には「熱が出る、洟が止まらない、のどがカラカラになって痛い…」といった、いわば風邪の症状が悪化したため、耳鼻咽喉科に駆け込む割合が高い、と言えるのです。

ところが、こうした耳鼻咽喉科では稀に「音声外来」という看板を掲げているクリニックや総合病院があります。東京大学医学部にも耳鼻咽喉科・聴覚音声外来という診療科目があり、その症例は一つ一つが研究課題として積み上げられてきました。実際にはどのような領域が音声外来なのでしょうか?その内容を見てみましょう。

音声外科、声そのものの「補正」と「疾病」とで、治療は異なる

女性特有の高い優しい声が出ない、あるいは男性特有の「声変わり」がないまま成年期になっている…など、声と体のアンマッチングで悩む患者の多くは、耳鼻咽喉科での診察で声の補正が可能かどうか、担当医師に臨床をお願いすることになります。

耳鼻咽喉科の領域は「部位である耳、鼻、喉」のほか、嚥下障害や舌癌、喉頭癌といった疾病や障害なども含まれ、言い換えれば五感に関する部位、五感で本来感じられるはずの感覚麻痺などを治療するという、大変難しいカテゴリーだといえます。そして、ここには生まれつきの個体で生じた声の補正などを治療することと、声を使いすぎるような職業で声帯ポリープのような疾病を発症し、その治療にあたるケースがあるわけです。

例えば、甲状腺癌・食道癌・肺癌・大動脈瘤・脳腫瘍・頸部腫瘍などで手術を受けたあとで、患部に麻痺が生じたケースでは、音声外科の治療を必要とします。これは喉仏にある甲状軟骨の形成治療によって声を出しやすく、あるいは低い声を高く、またその逆や、震えを抑える効果を狙います。甲状軟骨形成術は1から4までが知られており、器質性なのか機能性なのかで、処置は分かれています。

一般の耳鼻咽喉科では音声外科診療は行えない

耳鼻科の領域は体で言えば、鎖骨から眉間までの範囲です。では、めまいがある場合はどうなのか、といえばメニエール病が耳鼻科の領域になりますし、アレルギー性鼻炎は完全に耳鼻科の領域。ですがそのほとんどはウイルス性疾病が多いことや、気道はそもそも合併症を伴う可能性が高い部位です。そうした理由で、耳鼻科の医師は広い領域と関連性の複雑な疾病や症状で様々な治療方法を編み出さなければならなくなるのです。

ところが、音声外来はこれとは完全にことなる症例となります。完全に「障害」となる発声異常を直すには、外科医としての腕が必要です。先ほども触れたように、喉仏にメスが入る場合は、完全に外科的治療、すなわち手術を行うことになります。外科医としての力量が問われることもあり、耳鼻咽喉科のスキルと音声外科のスキルの両方に秀でていなければならなくなるのです。

音声外科の医師は、耳鼻咽喉科の医師よりも優遇されるか

声帯ポリープ患者はどのくらいいるのでしょうか?東京の代々木にある東海大学医学部付属東京病院によれば、年間約2,500人の喉頭疾患患者の臨床の結果、約300人が音声外科治療を必要とする、という結果を発表しています。音声外科は喉の切開だけでなく、様々な治療方法があり、大学によってその療法は異なるとも言われています。ですが、その結果については本人が発声することで、治療の成否がはっきりするため、治療する医師は限られているのが現実です。

また、音声外科治療には「保険外来」と「自由診療」の2つがあることも知っておく必要があります。保険外来は診療報酬内の処置のみが認められているのに対し、自由診療の場合は、それだけ確実な治療を求める患者が望む割合が高いことが理解できるでしょう。発声を仕事に活かしているケース、あるいは声を出す職業の場合は、音声外科の処置はパーフェクトでなければなりません。

つまり、器質性であっても職業病的なポリープの発症であったとしても、自由診療領域がある、ということから音声外科に属する耳鼻咽喉科医師は今後ますます重用されることは予想できるでしょう。それも、口腔内を整える「審美歯科」といった存在とは違い、声は形がなく見えないものであると同時に、患者にすれば一生のチャンスを得るか、失うかという岐路に立つ際の「大事な主治医」になる存在そのものです。

声ひとつで、人生を変える人々は少なくありません。これは特別な話し方のトレーニング教室があることと、全く同次元の重要なライフファクターともいえます。もし、今後こうした声質に関する世間の流れが表面化してくれば、音声外科の医師としての仕事は無限に広がるといっても過言ではありません。耳鼻咽喉科で臨床を積みながら、音声外科のスキルを積むことができれば、あるいは、そういった病院で勤務することができれば、医師として新たなチャンスを得ることは確実でしょう。ぜひ、広い視野で耳鼻咽喉科の使命感を羽ばたかせてはいかがでしょうか。

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