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青森特有の医療と医師の特性は?

ガン死亡率の高さは、食生活によるものか?青森特有の医療と医師の特性は?
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全国一「短命」であることから、全県上げての健康対策に必死な青森県ですが、その理由は長らく「塩分摂取量の多さ」によるもの、とされてきました。実際にはどうなのか、そして特定疾患死亡率が多い青森県の事情と医療の関係を探っていきます。

日本一の豪雪地帯は青森県

ここ数年、冬の降雪量でニュースに出てくる地名「青森県酸ケ湯」はいったいどこにあるのでしょうか?実は青森県の県庁がある青森市の一地点なのです。映画でも有名な「八甲田山」の麓にある温泉地として有名な場所ですが、青森市にあることは、県外にはあまり知られていません。人口30万人程度の都市で、年間の降雪量が17m!も超えるのは世界でもこの青森市だけなのは言うまでもありません。

豪雪と疾患の関係を見てみますと、多くの研究者が「雪で閉ざされる冬場は、運動しない住民が多い」という理由で、機能障害に発展する説を掲げることが多いようです。確かに、除雪は大変な重労働であり、呼吸器系に及ぼす影響は計り知れません。降雪時には家から出ることが少なくなり、結果的に飲酒と喫煙が娯楽のひとつとなる傾向が強く、青森県の飲酒と喫煙率は全国一なのも納得がいきます。

また、東京のテレビ局(キー局)のうち、フジテレビとテレビ東京は放映されていません。そのため、NHKの総合と教育、日本テレビ系列、TBS系列、テレビ朝日系列の合計5チャンネルしか視聴できないことも、「全国の娯楽情報の共通性」を欠く要因となっています。テレビごときが…と言われるかもしれませんが、地方ではテレビは娯楽の頂点に君臨しているのは、事実だといえるのです。特に、雪に覆われる季節は、除雪でクタクタになる間を縫って仕事に出かけ、帰宅してまた除雪…結局テレビを見て寝てしまうのが雪国の生活習慣になってしまいます。

食べ物が、運動不足が本当にがんの遠因になるのか

青森県は津軽海峡(むつ湾)、日本海、太平洋と三方に海岸線を持つ稀有な土地柄であり、漁業組合が80箇所以上ある漁業県と言える場所です。ホタテ、マグロ、ひらめといった魚が有名ですが、農作物ではりんご、長芋、ごぼう、にんにくの生産量は日本一です。
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食生活に関して、本当に塩気の多い食事が多いのか…ということですが、いまや日本の伝統食を頑なに食べ続ける習慣はどの県にもありません。コンビニはドーナツが流行ればドーナツを買いに行く人は全国におり、ビールやお酒はどの県でも飲まれないところはまずありません。また、疾病について言えることですが、最近沖縄の長寿日本一が脱落したことがわかりました。これは1972年に日本に返還されるまでアメリカ軍の統治下にあり、パンや牛肉といった高タンパク・高カロリーな食材と食生活が沖縄県民に配給され、それが習慣化されたことが影響しています。アメリカ人の平均的体系はハリウッドスターのスマートさとは雲泥の差であることはよく知られています。

ですが、東北地方は特に第一次産業が江戸末期から変わらない主力産業となっており、それに従事する人たちは、なんらかの「頂き物」を手にしています。ソウルフードが全国のファストフードチェーンを抑えて根付いており、それが青森の伝統芸となっていることは事実なのです。
つまり、食生活も運動も、全くガンには関係ないことだけは認めなければならない事実でしょう。

結論から言えば「がん検診を受けない県民性」からくる短命という結果だ

では、なぜ、青森県民は全国一短命なのでしょうか?がんに関係するところでは、やはり「特定健診」の受診率の低さが挙げられます。全国平均では青森県は確かに低いのは確かですが、実際には青森市や弘前市は全国平均より高く推移しています。問題のなのは、それ以外の市町村の受診率の低さです。

2013年(平成25年)10月7日の陸奥新報によれば、全国の「メタボ検診受診率」が平均値45%に対し、青森県内の国保加入者の受診率平均は29%。特に顕著なのは弘前大学がある弘前市の平均値、21.9%という数字です。通常、医学部がある大学は、その地域住民への予防医学にも大いに貢献することが多く、検診率も高まるのですが、弘前市は実に5人に1人しか受診していないのです。

津軽弁、南部弁という2つの言葉を覚えなければ、医師は仕事ができない

また、問題をより複雑化しているのが「地域性」です。津軽弁、南部弁、下北弁と3種類の言葉がある青森県の場合、患者が医師に対して「信頼できるのかどうか」を言葉で読み取るからだ、と言います。津軽地方(県西部、青森市や弘前市を含む。日本海側と陸奥湾に面している)と南部地方(八戸市、三戸町を含む。太平洋と陸奥湾に面している)、そして南部地方の北側に当たる下北地方(むつ市を含む)は、南部と下北が比較的人的往来が頻繁だったのに対し、津軽地方はこの2つの地域とは全く違う言語で生活されていた歴史があります。

そんな時代は過去のものだろう…そうした考え方は青森県では通用しません。平内町(ひらないまち)と野辺地町(のへじまち)は隣り合う町ですが、野辺地湾の境界線ではっきりと使う言葉が分かれており、校区も完全に分かれているのです。欧州ではよくある地域間の言葉の違いですが、津軽弁と南部弁ではお互いの言葉の理解が難しく、医療制度でも統一感がないのが大きな影響を及ぼしています。

青森市と弘前市は津軽弁地域、下北弁のむつ市が県内3大都市ですが、南部弁地域は小さな町が多いこと、また八戸市などは岩手県側にありますので、医療に関する拠点も言葉を大事に臨床しなければなりません。弘前大学医学部に進む学生の半分は青森出身者ですが、研修医時代に覚えなければならないのは「地元看護師を尊重する」ことです。総合病院であればあるほど、南部と津軽の両方の出身者を採用し「患者の通訳」として、患者の心を掴まなければなりません。ガン死亡率を下げよう、喫煙率を下げよう、あるいは運動療法を勧めよう…にも、医師が患者の言葉を理解しようとする「姿勢」がなければ、医師としての力が花咲くことはありえないのです。

の平均寿命(平成22年)は、男子77.28(全国79.59)歳、女子85.34(全国86.35)歳と、男女とも全国最下位にあるため、いわゆる”短命県”の返上が課題となっています。
 死亡率(平成25年)は、人口10万対で全国平均が1,009.1に対し青森県は1,283.7と、全国平均を274.6ポイントも上回っています。
 死因別で見ると特に悪性新生物、心疾患、脳血管疾患による死亡が多いことが本県の特徴となっています。

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