HOME»地域別 » 長崎の医師の求人と需要~離島の多い地域医療。医師をどうやって集めるか?

長崎の医師の求人と需要~離島の多い地域医療。

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971もの島を持つ長崎県、その中には壱岐島(島合計23余)、五島列島(島合計140余)、対馬(面積では日本で10位)といった特徴的な3島から、住民数が数人という小規模島まで様々です。そして火山や複雑なリアス式海岸を持つなど、医療インフラ整備にはかなりの「デメリット」が生じていると言えます。ただ、長崎市の医師会や、長崎県病院企業団という「県立病院運営組織」が病院の設置から医師の派遣に至るまで大きいな力を持っています。長崎の独特な地理的条件を克服する医療について、探ってみましょう。

長崎大学が医師の離島派遣を進める理由は

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九州最西端にある長崎大学病院は、862床を有する県随一の総合病院です。国立大学の多くは「医学付属病院」ですが、長崎大学は平成21年に大学直轄の病院として改称、特に諸外国からの患者受け入れを想定した取り組みを積極的に行い、また災害の際の中核病院としての機能を高めるための年度計画を発表しています(平成26年度)。

大学が力を入れるのは医師の育成であり、このことは他の大学でも変わりありません。ただ、長崎の場合は大学病院が県の中核病院という位置付けではない、ということです。複雑な地形と島嶼部の多さのため、どの地域の住民も大学病院に臨床してもらうチャンスは平等には訪れません。

長崎県は地域医療支援病院を配備。

独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター(大村市)病床610、精神33
長崎県島原病院(島原市)病床250、感染症4
独立行政法人国立病院機構 長崎川棚医療センター(川棚町)病床280、結核35
地方独立行政法人長崎市立病院機構 長崎みなとメディカルセンター市民病院(長崎市)病床414
社会医療法人財団白十字会 佐世保中央病院(佐世保市)病床312
独立行政法人地域医療機能推進機構 諫早総合病院(諫早市)病床315、結核8
佐世保市立総合病院(佐世保市)病床570、感染症4、結核20
社会福祉法人恩賜財団済生会 長崎県済生会支部済生会長崎病院(長崎市)病床205
独立行政法人労働者健康福祉機構 長崎労災病院(佐世保市)病床350
国家公務員共済組合連合会 佐世保共済病院(佐世保市)病床393、療養40

などと、県独自のリーダーシップを発揮して、地域医療のネットワークを高めています。例えば、独立行政法人地域医療機能推進機構のメンバーである諫早総合病院の場合、へき地等への医療支援を行うことが厚生労働省からの要請で行われます。へき地診療所が多いのは、全国でも北海道、長崎が圧倒的です。特に長期派遣・専門医派遣・代診は50代、60代の医師がおいそれと行うわけにはいきません。医師としてのライフワークスタイルがどのような形なのか、10年から20かけて形成されるのであり、ある年齢でいきなり離島派遣は難しいのです。

そこで、研修医のころから積極的に離島研修を行う制度を、長崎大学病院は推奨しています。その結果、一次救急であっても初期診療でドクターヘリを呼ぶべきか否かの判断や、診療所内で行える臨床技術を向上させるなどの方法で、結果的に的確な医療と医療費の抑制を達成できる、という考え方が長崎大学に根付いています。それが、今日の長崎の医療のネットワークをしっかりさせた、と言えるわけです。

島嶼部とはいっても、病床数もそれなりに多く、設備の充実が図られている

長崎大学医学部の後期研修医制度で、もっとも力を入れている部分は「総合診療科」の家庭医コースです。そもそも総合診療科を設置している大学病院はあるにはありますが、一般病院ではなかなか増えていないのが実情です。何故でしょうか?それは総合診療科の医師が専門診療科の医師と「対等関係ではない」という事実があるからです。

日本では患者は、自分自身で「お腹が痛いから、胃腸科に行こう」、あるいは「頭が痛いから、脳外科かな」などと自己判断してしまいます。ですが、離島などではそもそも総合診療科だけが必要であって、専門診療科の医師は不要なケースがほとんどでしょう。医師一人が島民全ての健康を支えるといっても過言ではありません。

こうした状況を考えると、家庭医の裁量は非常に大きく、使命感も高まります。そして、単なる診療所ではなく設備の充実は少ない医師と看護師だけでも医療の可能性を高める事が可能です。こうした考え方から、長崎県の医療は他の県に比べて「時代の先端」を行っているものと考えても良いのです。

長崎の医師になる、ということは日本列島のどの場所でも医師になることができる

長崎と北海道の共通点は意外なものです。それは「出身地は他県」「他県医大からの転職が多い」というもの。何故でしょうか?それは民間病院・国立病院・県立病院と組織母体は異なっても、優秀な医師が中核病院に集まっていて、地域診療所からのネットワークもしっかりしている、という点。医師とすれば、初見に時間がかかるような専門病院ではなく、総合診療がなされたあとで、専門医が専門領域でしっかり頑張る、そういう役割分担ができるという魅力があるためなのです。

医師が集まってくる理由、それは医師の本来の臨床の姿を適えられる地域性にある、というもの。長崎県への転職、これは医師としてのチャンスかもしれません。

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