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誤嚥を防ぐ飲み込み方

誤嚥、自分も周囲も健康に過ごしてきた人には、分かりにくい言葉ですよね。でも、いずれは自分自身にも降りかかる問題かもしれません。誤嚥、それは間違った場所に、飲込んだものが移動していくことです。
口腔を通った飲料・食物は食道を通り、胃に送られるのが普通です。ところが、食道と分岐する形で、気道というものが存在します。これが、厄介なのです。通常は、飲料・食物が喉を通るとき、気道は塞がれます。のどに手を当て、唾液を飲み込んでみてください。

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ゴックン、という感覚とともに、かすかな息苦しさを感じませんか?それが、気道が塞がっているということなのです。もしもこのとき、気道が塞がっていなければ、むせるという状況を生み出します。ほとんどの人は、経験があるのではないでしょうか。涙と鼻水が一度に出てくるようなあの苦しさ。止まらない咳で、きっと周りに不愉快な思いをさせているという申し訳なさ。死にそうな息遣いで、思いがけず周囲の耳目を集めてしまう辛さ。必死で出した声が上ずっていて、みっともなさと恥ずかしさに、泣きたくなりますよね。

筆者の場合、若い時から、しばしば経験してきたことです。その経験をもとに思い出すと、欲張ること、慌てることは厳禁なのです。
食べ物を口に含んだまま、喋ろうとするから、飲込むのと同時に呼吸を継ぐようなことになるから、失敗するのです。食べる・話す・息をする、これを一度に行おうと欲張るから、苦しい思いをすることになるのです。
若い時は気管から吐き出す力がありますが、年を取るにつれ、苦しむだけ苦しんでも吐き出せず、誤嚥性肺炎を引き起こすことにつながります。自分の誤嚥を防ぐには、まず、飲料・食物を欲張って頬張らないことです。落ち着いて、呼吸を意識して食べるだけでも随分と違うでしょう。また、自分の経験を踏まえると、お年寄りが飲食中、むやみに話しかけないことも重要と思われます。美味しい?と尋ねるのも、飲込んだことを見届けてからで良いのです。

見落とされがちなのは、飲食物の温度です。飲食物が熱くても冷たくても神経の反射を促し、誤嚥の原因となりえます。患者さんによっては、飲食時の姿勢が問題になることもありますが、これはケースバイケースですので、担当の看護師・介護士に相談するのが良いでしょう。
看護・介護の世界では、誤嚥を引き起こしそうな方にはとろみを付けた飲食物を提供しています。家庭でもできる工夫です。試してみてはいかがでしょうか。

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