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白血病の治癒率を飛躍的に向上させる、血液内科の治療に注目が集まっている

血液のがんである白血病。その症状から急性白血病・慢性白血病に分類され、さらに骨髄性かリンパ性かに細分化されることは、一般社会ではさほど知られていないのが現状です。とりわけ、年間数千人もの患者が罹患していながら「白血病」は、がん専門医ならばだれでも臨床できる…という「誤解」も広く生まれています。そうした問題の中身を、一般社会と医師との関係において、解き明かしてみたいと思います。

白血病と診断された!だが、ここでは治療できない…という不遇の理由は?

外科医にとって一番の仕事は「オペ」である…これはどの医学生でも想像できる模範解答でしょう。ですが、実際には術前・術中・術後の患者の容態をしっかりと頭に叩き込むためには、内科的領域がどうしても外せません。特に消化器外科はとりわけ悪性腫瘍の症例が多い部位でもあります。その場合、多くの外科医はその切除だけに向き合っているわけではありません。

理由は転移の可能性をも睨んだ執刀が望まれること、そして守備範囲以外の臓器への手術にも関わらなければならない局面で、どう判断せざるを得なくなるのか、という現実問題です。手術が長時間に及び、患者家族への説明を行わなければならない場面で「私ができることはやりましたが、できないことはできませんでした」などと吐露する医師は皆無。患者から見れば、外科医であろうと内科医であろうと、悪性腫瘍に立ち向かう医師は、全ての臓器に通じていると信じ込んでいるのが常識だからです。

ですが、臓器の関連性ならば執刀専門医の複数化で、オペが首尾よく終了できても、血液のがんの場合は本当に厄介な問題が生じます。医師の多くは、患者の症状が「体がだるい、高熱が続いてなかなか熱が引かない…」という患者を前にしてどう臨床するでしょうか?内科医はまずは科学的所見として検査を数種類行うでしょう。その結果、最後に血液検査で異常とされる数値を見て、ようやく自分の領域ではないことを患者に報告します。それが、専門分野の狭い外科領域ではない場合…つまり血液内科の場合は、医師自体の数が非常に少なく、他の外科医では治療が不可能であることを理解せざるを得ないのです。

つまり、血液検査ひとつで患者に対応する診療科目と医師数が一握りに限られることが、はっきりしてしまうのです。

血液内科では転科による「医学の向上」が目覚ましい

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白血病と診断されながら、完全に治癒した症例は年々増加しています。かつては死の病のひとつだった白血病も、実は多くの転科医によって、あるいは血液内科のチーム医療によって他科の医師が積極的に関わり、患者の生存率を高めている事実がわかってきました。例えば、名古屋記念病院(464床)は「血液・化学療法内科」「化学療法内科」「疼痛緩和内科」の3つが連携することで、白血病患者の治療を進めてきました。ここでは造血器腫瘍と悪性腫瘍をメインに化学療法を試みています。

この血液・化学療法内科が大変効果的な療法を行っている理由は、関係の深い消化器科と消化器外科との連携にあります。悪性腫瘍のできやすい部位でもある消化器での療法で、血液・化学療法内科の治療が大変効果的であることに注目し、両診療科での医師の交流によって、患者の治癒率を飛躍的に伸ばしているわけなのです。

この結果、血液内科というジャンルに捉われない転科医師が、多くの病院で広がってきているのが当たり前の形になってきました。もちろん、患者は病名と診てもらう診療科との整合性がなかなかつかない可能性もあるでしょう。ですが、一般的な医師の転科と違い、多くの民間病院では内科と外科のはっきりした区分けすら難しい「血液」による疾患のケースでは、総合内科医までがすでに「血液」に関するスキルを持っていなければ時代に入った、といえるわけです。

血液内科医と外科医、内科医が連携できる病院こそ、これからの形

厚生労働省が認めている「診療科」の標榜形式は「部位」を明確化させる方向に向かっています。平成20年4月1日より従来あった診療科目が否認されたり、新しく書き換えを求められるケースが明確化されました。そのため、医師の個人的スキルが、病院の診療科目に「今までと違う科目」で必要とされる時代に入ったわけです。
名古屋記念病院の場合は「血液・化学療法内科」という表記のように、血液内科と化学療法内科と2つの名称を結んでいるのが特徴です。こうした表記が厚労省で認められる方法のひとつであり、化学療法に携わっている医師や治験に詳しい医師が積極的にチーム参加することが可能になることがわかるでしょう。

医師の立場ではより専門性を磨きたい、という欲求があり、一方患者はより高度な医療技術を低侵襲で願いたい、そして病院は効果的な処置を的確に行う医師に活躍してもらい、安定経営に結びつけたい、という希望を持つものです。その3つを叶えるとすれば、まずは医師が診療科にこだわらず、血液内科のような多臓器腫瘍にも影響のある分野に積極的に転科、あるいはそうした医師を採用したい病院で、より充実した医療提供を行うことが、大変重要なことではないか、と思われます。

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