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胃腸科、内視鏡の上手さこそ、患者が求める最高のスキル!

naishikyo
平成26年2月14日に発生したある死亡事故をご存知でしょうか?医療事故としてはアクシデントとされる大きな話題となった内視鏡による手術ミスであり、それも、千葉県がんセンターという高度専門医療病院のひとつだったことから、医療業界では大きな衝撃となりました。腹腔鏡は内視鏡の中でもがん治療で注目されています。患者にとっての関心はやはり、腹腔鏡も含めた内視鏡操作の技術と手技、そしてその安全性。今回はスキルの重要性を記述していきたいと思います。

上部消化管の内視鏡検査や鎮静内視鏡検査は、医師の腕にかかっている

食道・胃・十二指腸を指す、上部消化管の内視鏡検査は従来口腔から内視鏡(経口内視鏡)挿入が通常でしたが、昨今は鼻から(鼻腔内視鏡)の挿入が増加しています。特に経口内視鏡は、嘔吐反射が鮮明であり、患者に苦痛を与えるものとして複数の看護師が配置されるなど、デメリットが多いとされてきました。これに対し、鼻腔内視鏡は患者の感じる圧迫感はなく、検査もスムーズな反面、経口より細い鉗子でなければ挿入できない制約から、腫瘍の切除の場合に再度経口挿入が必要になるなどのケースが出てきています。

年々内視鏡の精度が向上している理由は、CCDと呼ばれる「撮像素子」の進化にあります。デジタルカメラでは2,000万画素、5,000万画素などと「画素」という単位を使いますが、これはわずかな暗がりでも光を集めていかに鮮明に映像として再現するか、という技術そのものを表します。食道や胃、十二指腸や腸といった部位は、基本的に真っ暗であり、わずかな光をライトが照らしながら、カメラと鉗子口、レンズ洗浄ノズルの4つを束ねた管を操作しなければなりません。特に罹患率が高まっている大腸ガンは、肛門からの挿入ですが、操作による嘔吐反射は患者を萎縮させます。ですから、経験値の多さがなければ、医師は務まらないといっても過言ではありません。

内視鏡手術は腹腔鏡手術よりも楽?現実はどうなのか?

医療事故の情報を集めている民間団体に「メコン」というところがあります。メディカル・コンシューマーを略した市民団体で、ボランティア組織。そして医療事故を広く扱って公式HPで公表しています。医療消費者という言葉で、適切な医療が行われているかを監視している…というところですが、ここではインシデントからアクシデントまで様々な事例が報告されており、内視鏡手術に関しても多く取り上げられています。

患者の立場でいえば、内視鏡手術は開腹手術よりも楽、という考え方があります。胃、十二指腸、腸といった臓器は開腹することで入院日数は10は要します。これに比べ、内視鏡手術では日帰りも可能。鎮静内視鏡では大腸ガンの主要も切除するケースが出てきており、独特な腸内のヒダヒダにある腫瘍を切除、という今までは困難と言われてきたオペのスキルが試されてきているのも事実です。ただ、ここで考えたいのは胃のように腫瘍がコブ状ならば切除しやすいが、腸内のようなヒダヒダでは腫瘍が取りにくい、という常識を医師が患者に伝えているのか?という事実です。患者は腫瘍を取って欲しいと懇願しますし、家族も望むでしょう。ですが、それにはリスクがある、その中身はこういうリスクだ…という事実を述べなければなりません。

ほとんどのアクシデントは、リスクを患者に公表していないことが原因

内視鏡検査では、まず器機性能の向上から1㎜程度の腫瘍も発見できるようになりました。その場合、クリニックでの検査から大学病院への紹介などがスムーズに行われてきている、と言えます。ですが、医師の中には「患者の状態では、紹介状を渡して大学病院で手術する時間的余裕はない」というケースに悩む場合もあるでしょう。患者の個体差は大きく、また部位によっては画像から腫瘍を見逃すこともあります。

「メコン」は医療ミス、と断定して情報公開している場合が多いのですが、医師としても内視鏡検査と内視鏡手術はやはり経験値を作らなければなりません。俗な言い方ですが「失敗を乗り越えて」いかなければならないわけです。患者側は経験豊富な医師にお願いしたい、ですが医師も経験を積む環境が欲しい…結局そこで、少なからずアクシデントが発生していることになるのです。リスクはどのようなものか、そして自分のスキルはどこまでか…正直に家族と患者に話す、これこそが胃腸科医師の基本といえるでしょう。

経験値を積むためならば、症例数の多い勤務病院を探そう

技術は常に進歩していますが、内視鏡器機の導入も常に最新のものが必要です。清潔面と扱いやすさ、安全性と機能性…胃腸科勤務医は絶対に「医師に人気のある病院」に勤務するのがスキル向上の絶対条件です。患者は医療器機の進歩やマスコミが書く「がんは治る病気になった」というセリフに感化されてしまっています。

ですが、実際には内視鏡の性能アップが、今までは発見されなかった病変や腫瘍まであぶり出すようになっています。つまり、臓器ひとつだけにこだわる内視鏡操作だけでは事足りなくなっており、患者には「合併症が見つかりまして…」と再手術を認めてもらわなければならない事態が多く発生しています。こうしたことは、患者のためですが、家族はきちんと理解せずに「手術が失敗したのでは?」と訝る場面があります。

こうした勘違いから生む「不信感」で医師の立場が脅かされないよう、医療スタッフの充実したところ、コンプライアンス対応のしっかりしたところ、そして患者への説明する確かな話法を備えた医長がいるところへ、ぜひ勤務されることが望ましいでしょう。

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