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耳鼻咽喉科の求人、頭頸部外科を目指すか、内科領域か

頭頸部外科を目指すか、内科領域を追求するかで、その道は大きく変わってくる
jibi
少数科のひとつ、耳鼻科。そして耳鼻咽喉科が果たす役割の多くは「風邪、花粉症」といた症状への対応でしょう。とりわけ、感染症の突発的な広がりは、ここ数年爆発的な「パンデミック」の危険性を孕んでいます。そうした中で、耳鼻咽喉科が「地域医療の内科医」となるか、あるいは「頭頸部外科」として専門医の領域を極めるか、その方向性の違いが浮かび上がって来ています。今後の耳鼻咽喉科医の進むべき道について、考えてみます。

風邪を引いたら、耳鼻咽喉科…流行性感冒は毎年繰り返される。

だから、収益が上がる現実がある。アルゴンプラズマ凝固装置(APC)を使った アレルギー性鼻炎・花粉症の治療…これは長らく胃腸科病院で多く用いられている外科手術のひとつであって、粘膜に直接アルゴンガスを吹きかけ、焼くことで、ポリープ切除後の止血に効果があることが理解されており、これを鼻腔内でも応用することから、最近一部の大学病院でも導入されています。

ただ、これは永続的にアレルギー性鼻炎の症状を回避させるわけではありません。花粉症もそうですが、アレルギー性疾患の原因は自己免疫力の低下であり、これを高めるの様々な方法が考案されてはいますが、全ては患者の生活環境や習慣に起因するため、一時しのぎになってしまうことがわかっています。

この事実から見て、本当に耳鼻咽喉科が診なければならない部位はどこなのか、それは結局「脳」の働きそのものとしか言いようがありません。そのため、毎年流感でリピーター患者を相手に薬物療法を適用するしかない、そういった地域内科医だけで多忙を極めるところさえ出てきています。つまり、今や感染症は耳鼻咽喉科で臨床するのが最も早道…と言われるようになりました。対処療法だけを考えれば、確かに今後とも耳鼻咽喉科の領域で「ほんのひとつ」の技量を持っていても、それなりに収入を得られる科、と考えることは可能ではあります。

その一方で「頭頸部外科」を目指すメリットはなにか

頭頸部外科と耳鼻咽喉科は何が違うのか?一般の市民にとって、そもそも頭頸部外科の存在はそれほど知られている、とはいえません。ですが「喉頭がん」「舌がん」などの症例は知らない人はいないでしょう。つまり、頭頸部外科はいわゆる「外科医」であって、首から上の腫瘍に対処する外科医の一部を言う…といえば、理解されやすいことになります。

体全体の調子を診るには、脳神経が重要ですが、脳外科医は脳という極めて微妙な部位の執刀を担当するだけでも、十数年ものキャリア形成が必要です。これに比べて、頭頸部の場合は器官が隣接しているにもかかわらず、その機能は全く別物であり、その形状も複雑です。簡単に言えば、 CT画像ひとつ撮影することも難しく、転移部位が頭頸部にあった場合、他科の医師との綿密な臨床が欠かせません。つまり、がん専門医であってしても、頭頸部外科を標榜するの医師は全国的に非常に少ないのが実情なのです。

例えば、舌がんは口腔内のがんですが、実は高齢者ばかりではないことが知られてきました。アメリカの有名俳優 マイケル・ダグラス氏は、2010年に喉頭がんの治療を行いましたが、実際には舌がん。原因は全身のリンパ節の内、頸部リンパ節が至近距離にあることでしょう。全てのがんで転移しやすい要因をもつリンパ節。そして、歯の噛み合わせの悪さからくることも、意外に知られていない重要な原因のひとつです。

ここから、分かることはなんでしょうか?従来口腔外科領域は歯科医に限られていましたが、ここで初めて医科歯科の共同臨床が可能となるわけです。つまり、感染症の原因も要は口腔内にあれば、鼻腔に過重なストレスがかかることは自明です。頭頸部外科を目指すことは、医師にとって歯科領域を知ることになり、非常に有益となるのです。

外科医でありながら、内科臨床で追われる道を選ぶか、

それとも口腔外科とのコラボで余裕のある臨床で充実するか

ここまでの記述は、従来の医師の研究領域を大いにはみ出すことに繋がるかもしれません。ですが、頭頸部外科は、五感に関係するだけでなく、脳による高次脳機能を真っ先に「行動」として実行する部分に直結しています。そうなれば、やはり総合病院でも旧来から頭頸部外科を独立して持っている病院が、今後非常に脚光を浴びてくることは間違いないでしょう。

なぜならば、厚生労働省は高齢化社会の医療費高騰に頭を悩ませているため、予防医学や訪問診療への診療報酬加点を増強しています。対処療法の最たるものである薬剤の加点はどんどん抑えられており、変わって、未病への対応に大きな舵取りが進んでいます。ですから、頭頸部外科を標榜する医師がどんどん出てくることこそが、社会全体のQOLに重要だといえるのではないでしょうか。これから10年後、20年後を考えた場合、内科医としての耳鼻咽喉科は過労で低収入…そういう可能性も考えておくべきです。

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