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緩和医療科。麻酔科、精神科の医師からリハビリ療法士まで総動員

がん患者にとって、終末期医療は大変苦しい局面の連続、といわれます。特に肺がんや悪性リンパ腫などはがんの浸潤そのものの疼痛があるといわれ、また手術や化学療法、放射線療法などによる痛みは「治療上の副産物」となり、そのための鎮静剤(モルヒネ投与など)が広く行われています。ですが、緩和医療科自体が誕生し、終末期医療にどれだけ効果が出ているのかは、各病院とも模索中とも言えます。人としてどう平安に終末期を迎えるのか、その大きな役割について記述してみます。

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緩和医療科が活躍、がんの痛み、とは何を示すのか?

世界保健機構(WHO)が1986年に発表した「WHO式がん疼痛治療法」。世界25カ国の医療関係者が4年間研究を重ねたものですが、その目的は「がん終末期患者の疼痛を和らげる」という限定的なものではありませんでした。実は、がんと診断された時点から、疼痛治療が必要である…これがWHOで研究された考え方です。

そもそも、がんと診断された場合、初期なのか進行期なのかで患者の疼痛は変わってきます。転移したあとでの疼痛、あるいは入院に伴う体力の減退に関する痛み、もともと患っていたその他の疾患疼痛や合併症での痛みなど、悪性腫瘍そのもが引き起こす痛みは実際には様々な要因と重なってしまうのが現状です。

ただ、がん疼痛はがん治療の進化とともに「減る」わけではなく、皮肉なことですが治療をするたびに様々な疼痛が生じてくる、という実態があります。緩和医療科等でのモルヒネは麻薬と考える患者の心痛、また患者の孤独や家族との関係など、病棟にいること自体が疼痛の原因の一つになってしまうのは、「がん」が辛いもの、死亡率の高いもの、そして痛みが伴うもの…という固定観念が広く知られているから、といえるでしょう。

がん治療は基本的に「術後延命の確率を高めること」が全て

全てのがんに言えることですが、臓器の悪性腫瘍の場合はできるだけ局所を切除する方法が取られます。ですが、血液のがんの場合は化学療法や骨髄移植による「寛解導入」が基本であり、骨肉腫といった骨のがんの場合は、場合により骨の切断を余儀なくされることがあります。生検が非常に難しいこともあり、術後5年以上の生存率を高めるには、抗がん剤の相当な副作用のリスクを考慮して、患者と話し合いをしながら治療を行うのが通例です。

一般の人たちがイメージする日本の医療とは、大学病院が最先端の治療を行い、民間病院は処置仕切れない患者が、「紹介状」一つで大学病院へ通院する…という「間違った認識」です。実際には大学病院の医師も民間病院でオペを行っていますし、民間病院も大学病院同等の優秀な医師を揃えているところが少なくありません。そして、大学病院と民間病院は地域連携を行い、処置の棲み分けをしているのも事実です。

特に、がんの場合は初期発見の生存率は高く、入院日数や診療代金もそれほどかからない…といわれます。ところが、2014年(平成26年)4月23日の読売新聞にある記事が掲載されました。これは、国立がん研究センターの調査報告で、がんと診断宣告された患者の自殺が、がんにかかっていない人の20倍にも及ぶ…というものでした。これはどういうことでしょうか?医師が患者を臨床し、正直に伝えるのは、術前行為。つまり、医療の手前で患者に大変なストレスがかかっていても、それは医師には無関係…という実態がわかってきたのです。緩和医療科とは無縁なのでしょうか・・・。

がん宣告による患者のストレスの緩和には緩和医療科チーム医療を必要とする

がんによる心理的ストレス。それは「死の病」というレッテルの貼られた疾病だからこそ、患者や家族が絶望的になりやすいと言えるものです。末期がんの場合、医師が家族にのみ病状を告げ、本人には知らせない選択肢があった時代が長く続きました。しかし、現在ではがん宣告は一般的になり、その治療についてもセカンドオピニオンを受ける患者が少なくありません。

ですが、ほとんどの患者は、がんのステージの説明を聞き、容態と余命を測る心理状態に置かれます。そのため、麻酔科医は術前から麻酔の同意書を患者から取り付けますが、執刀医よりも精神的安心感を受ける存在になります。それもそのはず、外科執刀医は第一、第二と執刀の代表者や介助者がいますが、麻酔科医は術前、術中、術後と患者の容態を見届けるエキスパートです。

そして、緩和医療科での術後のリハビリテーションでは、専門医のほかリハビリ療法士が患者の「覚醒」に寄与します。ですが、彼らは全て診療報酬内の「寛解」を行い、病棟からの「卒業」に取り組むのですが、現在ではがんキャリアの精神的ストレスが疼痛の要因にもなることが理解されています。つまり、医学の領域ではないストレス環境を取り除くこと、強いては診療報酬にはない「宗教界の立場」からも助言者を呼んで、患者の苦しみを和らげようとする方向性が取られるのです。

がんは、オペで全てが始まり、終わるのでしょうか?名医と呼ばれる人や病院は、何が他と違うのでしょうか?そもそも名医とは何でしょうか?緩和医療科は、医学と人間の関わりを基本から見つめ直す診療科です。だからこそ、どの病院でも必要とされていくでしょう。しっかりしたチーム医療の体制が整う病院だからこそ、医師は初めて力を出すことができます。個人で悩みを抱える医師、執刀に力を注ぎ、疲れ果てる医師。どうでしょうか、もっと患者の心の悩みを洗い落とし、自分の医療もしっかり行える病院を選ぶことこそが、本当の医師の仕事、とは言えないでしょうか?

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