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精神科の求人募集で知っておきたい現状。薬物療法の限界。

SSRIは精神薬を変えたのか?
SSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)の中で「プロザック」が1988年(昭和63年)、アメリカで認可。以後世界中の精神科医はこの薬を「魔法の薬剤」と賞賛し、患者が愛用したことを覚えているでしょうか?元々抗鬱剤の医薬品ですが、アメリカでの服用者の多くは「より活発なコミュニケーション能力のために」処方されたのが実情です。
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精神科、精神系内科の患者にSSRIを尋ねてみても、いったいなんのことかは理解できないでしょう。そもそも、幻覚やてんかん、躁状態、パーキンソン病、ナルコプレシーなど症状名や疾患名に対して適切な投薬処置が行われている、という程度が患者や家族の考え方です。ですが、SSRIは基本的に抗鬱剤であるにもかかわらず、「やるきのない状態を変える」という目的で、疾患とは無縁の人々が服用を始めました。その結果、SSRIとは「軽い精神的不安を解消する」医薬品、というイメージが出来上がってしまいました。

現在、パニック障害などの「不安恐怖」を抱える患者が増加していることもあり、精神薬は以前よりも身近になっているのは事実でしょう。ですが、それは単に精神科、神経内科、心療内科などが同じ薬を数多く処方しているに過ぎない一面があります。逆にいえば、精神薬は「精神科患者」以外にも使用される、という現象をSSRIは作ったことは間違いありません。

大学病院精神科が基本的に薬物療法に頼るのはなぜか?

「うつ」とひらがなで表記することが当たり前になっている現在、うつを治す療法はカウンセリング、薬物療法、認知行動療法…と様々なロードマップが展開されるようになってきました。ですが、社会の複雑化はそのまま「ストレス社会」へと変貌し、その傾向は一向に修正されることはありません。

問題なのは、精神疾患がメインであるのではなく、「内臓疾患や外傷などによって勤務先を退職せざるを得ない…」ことから発生するストレス、あるいは「長時間勤務による慢性的疲労」が引き起こすストレス、あるいは「人間関係の不調和」によるストレス…そして糖尿病や脳梗塞、あるいは片麻痺などあらゆる疾患•外傷とそれがもたらす障害が産むストレスが、精神疾患となる現代ならではの状況でしょう。

診療科目が30、40、50と増加し、現在大学病院が研究としているテーマはより深く、専門的になっています。ですが、精神疾患の場合は、その逆で患者のカウンセリングによって、複雑化されるストレスをひとつひとつ取り除かなければなりません。ですが、それは激増する患者への対応に追いつかない現実と矛盾しています。広義で言えば精神科は「社会問題化」による疾患であり、薬物療法はどうしても「疾患の分類」に応じて、処方する「スピード療法」でしかありません。大学病院の精神科は、基本的に「研究」対象として患者を臨床する…それが実態といえます。

精神科病院の原点は「チーム医療」

では、大学病院よりも専門病院の方がより「充足感」のある療法を取り入れているのでしょうか?ここで考えたいのは、精神科医院が増加傾向にある、という方向性です。かつては「精神病院」という言い方で患者や医療関係者の「イメージ」が作られていた時代がありましたが、最近の精神科病院、あるいは精神科病棟は開放的であり、措置入院のある閉鎖病棟も存在はしますが、男性看護士のチームによって、患者のケアがなされています。

もちろん、薬物中毒などの副作用で措置入院となった患者の場合は、危険手当を支給されるスタッフが働く病棟は全国にありますが、基本的には、医師•看護師•臨床心理士•精神保健福祉士•作業療法士などのチームによって、様々な療法の積み重ねが行われます。ただ、精神科医が病院を探す場合、難しい点は「リエゾン医療」として「他の疾患に付随する精神疾患」ということで、他の診療科担当医と共同でせん妄や精神疾患への治療を行うケース、そして精神科病院の担当医として急性期、慢性期、あるいは措置入院と多くの患者を引き受けるケースで「役割が異なる」ことに注意する、ということです。

措置入院の場合、診療報酬の高い「処置」が少なくないこと、また様々な療法を行うために、多くのスタッフの研究が欠かせないことなど、その専門性は高まっています。また、男性看護士の増加で、以前よりも体力的にもメンタル面も強いスタッフがチーム編成に加わることも、この分野の特徴です。

地域医療との関わりがあるかないかで、病院のカラーは変わる

総合病院の場合、解放病棟が売り、というところが少なくありません。ですが、一方でこうした精神科では患者の意志を尊重することから、治療拒否や自主退院といったケースには抗うことができません。一方で、地域に密着する精神科病院の場合は、家族と患者、そしてデイケアや地域での精神科病棟の説明会など、地域の力を取り入れて運営されます。ですから、精神科病院への勤務は、単なる療法の追求ではなく、病院と地域との関わりをきちんと見極めることが重要です。

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