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眼科の求人~糖尿病眼科が注目される訳は?

糖尿病眼科が注目される訳は?高度な手技が必要とされる治療に、患者は集まる
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国民病のひとつ、と言われる糖尿病。毎年行われる厚生労働省の「国民健康・栄養調査」では、年々増大する国民医療費の負担軽減と国民の健康増進策を推進する上で、糖尿病の予防が重点項目とされています。ちなみに、2013年(平成25年)調査結果が1年かけて精査され、発表されましたが、その内容は決して「良い」ものとは言えませんでした。こうした結果は眼科医師にとって大変重要な事実が潜んでいることをご紹介したいと思います。

目が悪いから、眼科に通院…それでは手遅れという糖尿病。眼科で発見する糖尿病のシグナル

厚労省の「国民健康・栄養調査」は「無作為抽出の5,204世帯、そのうちの3,493世帯(67.1%)からの回答を有効」としています。結果、成人男性の16.2%、成人女性の9.2%が糖尿病患者、あるいはその予備軍であることが判明しました。ざっくり言えば、男性の6人に1人が糖尿病。それも50代の患者が急増していることが明らかになっているのです。そして厚労省は公式サイトで糖尿病患者数は約890万人、予備軍も含めると約2,210万人もいる、と推定しています。

糖尿病が引き起こす怖さは合併症の多さでしょう。脳から足の先まで様々な疾患や障害を引き起こすことは知られていますが、脳梗塞や脳卒中、心筋梗塞といった死亡原因になりうる疾患、腎症や手足の神経障害、皮膚の疾病や感染症とともに網膜症は大変大きな症例として挙げられます。糖尿病網膜症が重い疾患となる所以は「目が見えなくなる高リスク」ですが、「見えない」ということが、どれだけ大変なことか、あるいはどれだけの介助コストを必要とするか、を考えるといかに眼科検診が大事なことがわかるはずです。

裁判になった「糖尿病網膜症の手術問題」を考える

平成13年8月27日に判決が出た「糖尿病網膜症による血管新生緑内障に関する訴訟」(札幌地裁)をご存知でしょうか?これは、糖尿病だった患者が眼科医の手術を受け、結果的に失明したことを「医師の責任」と訴えた裁判事例です。結果的に、原告敗訴となり眼科医は無罪の判決が下されました。この事案は様々な問題提起をしていることで、参考にされたい、と思います。

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この裁判では、糖尿病を患っていた原告患者が開業内科医の投薬治療を受け、10年ほど経過し左眼の異常を感じたことから、自宅近所の開業眼科医に受診したことに始まります。症状は「血管新生緑内障」であり、病期は「開放隅角緑内障期」。眼科医はレーザー虹彩切開術を施行、それ以降は大学病院への転院を勧めています。患者は一度は大学病院で受診しましたが、自営業で時間の余裕がないことから、通院を拒否。結局開業眼科医での手術入院の末、大学病院での硝子体手術という結果になりました。

開業眼科医の懸命な治療(レーザー光凝固装置、毛様体冷凍凝固装置、線維柱帯切除術)などを駆使し、患者の左眼を処置したものの、失明。右眼手術のみ大学病院で行うという結果になりました。この結果から、患者は開業眼科医を裁判で訴え、過失を認めるように要求しました。もちろん、詳細に様々な行き違いがあることは割愛しますが、眼科医が無罪となったことは、糖尿病という病に眼科医が「真っ先に臨床しなければ、こういうことはなかった」という事実を裁判官が認めたことに他ならないのです。

糖尿病に関しては、眼科医は内科医と連携しなければならない

この判例から読み取れることはなんでしょうか?もし、患者が早くから大学病院に通院していれば、失明の事態は免れたという「自業自得」という点でしょうか?ここには、初診からの内科医の無責任さも考えなければならないと思わざるを得ません。内科医は糖尿病の「怖さ」「真実」をしっかりと患者に説明しなければなりませんが、そもそも糖尿病についての知識がない内科医が多くいることを知っておくべきでしょう。逆に言えば、内科だけではなく「糖尿病専門」の認定医ならば、眼科への通院も同時進行で勧めるわけです。

眼科は高度な手技を持ってしても、失敗することがあるのが常識と言われます。硝子体手術の難しさは「これ以上悪くならない」程度にすることで精一杯、という現実があります。糖尿病患者の場合は血糖値のコントロールが生命線ですが、食事療法のセルフコントロールができない場合、眼科では進みゆく症状悪化に対処できません。つまり、外科医は眼の異常を感じた患者を前にした時点で「すでに遅し」という思いをする訳です。

結果どうなるでしょう?初診の時点から術数の多い眼科をネットで探し、評判の良い眼科医に患者がごった返す…ということになってしまいます。そして、手技が不得意な眼科は患者の奪い合いになる可能性も否定できません。厚労省から見れば、眼科医は目の前にいる患者全員の検診をすべきであり、それを内科医との連携で行えば未病状態で患者を救える、ということになります。

眼科医は国民病といわれる脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞を引き起こす糖尿病に重大な責任を持つドクターです。だからこそ、手技と眼検、そして総合病院の中でも内科医との連携のある病院に勤務するのが、人々を救うことにつながり、そしてご自身のスキルアップや報酬にも大きく影響してくるでしょう。

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