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熊本県の医師求人転職~精神病床がなぜ多いのか?

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2010年の厚生労働省による資料では、四大疾病(脳血管疾患、心疾患、がん、糖尿病)を調査したところ、全国都道府県で罹患率が一番「低かった」のは熊本県です。ところが、2011年の厚労省調査「患者調査」では、うつ病患者の割合が多い都道府県順で、1位福岡県・2位岡山県に続き、3位が熊本県。この事実が裏付けるように、精神病床が多い熊本県について、その理由を検証します。

九州の中でも、もっとも九州らしい「誇り高き県民性」が仇となったか

西郷隆盛といえば、薩摩藩の下級武士として有名でしたが、もともとは熊本の名家が先祖として知られています。西郷家初代が薩摩へ移住し、八代目にあたる隆盛は薩摩藩の中での扱いに不満を抱き、その中から藩主 島津斉彬に見出されます。薩摩(鹿児島)は、日本でも最も差別的な歴史を持った武家社会を引きずっていました。下級武士は上級武士同様の食事はもちろん、行動ひとつひとつにも様々な格差がつけられ、その結果明治維新の原動力となった「反骨精神」に受け継がれていきます。

熊本の地は西郷が戦死した西南戦争最後の激戦の地でもあります。薩摩の産んだスーパースターであるため、熊本県民には西郷が薩摩人として映りますが、これは肥後出身者が薩摩と長州の「下」に置かれたことと同様と捉えられ、歴史的にも苦しい時代を繰り広げてきた熊本の人々の持つDNAが重なるのは確かなようです。

熊本県民の特徴といえば「頑固」。情熱的な男性としっかり者の女性、格式にこだわる県民性、そして議論好きでへそ曲がりな一面も押し出してきます。明治維新後は、実り豊かな土地として熊本県には平和が訪れましたが、その反面、福岡県に九州経済の主導権が握られ、宮崎県には観光地としての優位性を取られてしまいました。そのため、競争心は人一倍ですが、現在日本でのトップゆるキャラである「くまモン」のおかげもあり、熊本県民の誇りは多少余裕に変わってきている…という分析結果があるようです。

熊本県は精神科病院が多い…とはいっても、実際には「精神科」を名乗らない病院が多い

熊本の病院を見てみると、「医療法人杏仁会 くまもと青明病院」のように、診療科目がわからない病院がほとんどです。ちなみに精神科では名高いのがこの「くまもと青明病院」(熊本市)。以前は精神病院と名前が付いていましたが、イメージを慮って敢えて病院名だけにしてしまいました。精神科専門病院は、全国的にも「精神病院」から「精神科病院」と変更する傾向が強まりましたが、病院名そのものを変更してしまうのは、熊本県の県民性をよく表していると言えます。

熊本大学病院 神経精神科が挑む、誤診との共存

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国の「認知症医療」熊本モデルを提唱しているのが、熊本大学大学院教授の池田学氏。精神科及び神経内科の領域を研究してきた池田教授の元には、認知症や精神病の疑いのある患者が列をなしていますが、池田教授が赴任(2007年)後にその患者の20%は全く問題がいない、ことがわかりました。これは、精神異常もなければ、認知症医療を受ける必要もないまま投薬を続けていた患者も多数含まれており、精神科病院が患者を「作り出している」実態が浮き彫りになったのです。

熊本県は開業医が圧倒的に多いことから、患者の存在もあまり公にされないのが実態です。患者と家族は決まったクリニックや病院に通院するか入院するだけで、その入院日数も平均300日を超えています。日本全国の平均は250日ほどですので、熊本県の精神科入院患者の日数はひと月以上も長いことになります。

これは、社会的入院と実態内容は変わりません。いわゆる「措置入院」は薬物汚染などの脳疾患の影響で精神科病棟に入ることを意味しますが、熊本県が異常に多いというデータはありません。ここから考えたいのは、地域性と県民性ゆえに、「精神的に窮屈になっている」表現方法しか取れない人々が多いことを意味します。そのため、池田教授のような他県出身者で、全国の大学を回っているような医師でなければ、こうした地域医療には手が出せない…という一面が出てくるのです。

「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(平成22年)」が語るもの

都道府県別に調べたある調査があります。それによれば「学生1,000人あたりのいじめ認知件数」で圧倒的に1位になったのが熊本県の27.6件。最下位は0.6件の佐賀県ですから、同じ九州でも随分とお国柄が違うことがわかるでしょう。ただ、ここで注意したいのは、あくまでも「認知件数」です。それは「あいつはいじめをしている」「いじめを受けたことがある」という明らかな「認知度」の高さが熊本県にある、ということです。

これは、陰湿ないじめはない代わりに、方言のキツさや頑固な態度が脅迫的に映る…という面も意識すべき…ということになります。地域医療はどうしても「住民同志の関わり合い方」がうまくいかなければ、崩壊してしまいます。ですから、熊本モデルを踏まえた上で、精神科医療に取り組まなければ、徒労に終わる恐れも出てきます。福岡県という地名を出さない、患者は浮気性がある…そして患者と家族は言い争いが多い、そういった特徴を頭に入れて従事することが必要なのです。

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