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消化器外科の求人、転職。優秀な医師が集まる大学病院と専門病院の関係。

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執刀数の少なさは、医師にとって悲劇だ
上部消化管、下部消化管、肝胆膵は全て「がん」に関わる臓器であるため、執刀医の教育機関としての大学は多くのスタッフを必要とします。臨床から治験、画像診断…とあらゆる技術を集めなければ遂行できない診療科であるにもかかわらず、最近はその複雑さと多様さに「拒否感」を抱く医学生が少なくありません。その実態を考えます。

消化器外科医は、外科全てを知る立場

山崎豊子の「白い巨塔」が世に出てから、半世紀が経っていますが、その舞台が「浪速大学医学部=大阪大学医学部」であることはファンでなくても知るところ。医学の世界では、阪大は急激に力をつけた大学のひとつですが、その中心は消化器外科であるのは言うまでもありません。

東大・京大は今では臨床よりも研究という部分で名が知られているように、日本の医学部はもはや慶応、順天堂、日本医科など私学臨床の技術が非常に高くなったのは事実です。ですが、その原動力はやはり阪大に寄せる関西の経済界の総意があったのはよく知られています。大阪に多くある製薬会社、そして医療機器商社などがその権威に大きく手を貸した歴史があることを「白い巨塔」は半ばノンフィクションとして描いてきました。

しかし、現在の消化器外科とはいったいなんでしょうか?おそらく胃ガンや大腸ガンだけを執刀する医師になろうという研修医は皆無なはず。扱う臓器の範囲が広いことと、その執刀技術の進歩や画像診断の奥深さなどをもって、これ以上の面白さはないはずなのですが、30代の医師が非常に少ない現実は如何ともし難い状況なのです。外科といえば、消化器外科…ですが、それが仇となっているのでしょうか?

財前五郎は一匹狼だった。だが、今の時代そういう医師は消化器外科では大きな壁にぶち当たる

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「白い巨塔」の主人公、財前五郎は貧しい身の上をバネに、非常にハングリー精神のある助教授でした。彼が犯した
過ちは裁判で明らかになりますが、その時代、マスコミは天才医師ひとりに責任をかぶせるように、幕引きを狙いました。事実、作者はその直後に主人公を胃ガンで殺してしまいます。

考えてみれば、現在の医療状況は医師と患者の関係が対等へと変化しています。様々な医師が医療の内実を明らかにし、ジャーナリズムも新しい治療方法や現状などをリポートしていく時代です。執刀には絶対というものはありません。つまり、執刀数が多いからこそ、患者は安心してステンレス製の台に登ります。そしてそこには麻酔科医も研修医も見守るはずなのですが、患者は病院を一体と考えますし、その家族も全ての医療関係者の動きにナイーブになります。

チーム医療…ことばでは非常に簡単に口にするその仕組みが、実は流れ作業のように次から次へと休む間も無い消化管
外科医のもとで行われるならば、それは本当に大丈夫なのでしょうか?あまりにも細分化、専門化した研究医が多すぎるのではないでしょうか?

現在の名医と呼ばれる医師の多くは「胃ガンの名医」として上部消化管外科を担当…などとその執刀症例数を掲げています。特に、大学病院は紹介状あってのオペですから、腫瘍の切除ひとつをどうするかといったお膳立てができているわけです。ですが、それも昨今の医療器機の発達で微細な画像で更に細かい執刀部位が増えるなど、大病院ならではの問題点が深くなってきます。そのため、ある程度の年齢になった名医も指導者として研究医に回るなどして、後輩を育てなければならないことになります。平成20年代に入り、40歳代から50歳代の医師がその大半を担う消化器外科の問題は、後輩がなかなか入ってこないという事実です。人気がない、その理由は「育てていない」という名医の存在です。

消化器外科~大学病院に行くなら、専門病院に行くべきという見方

日本の消化器科医療は、既に専門病院の「臓器専門店」と化しています。つまり、胃ガンならどの病院でも切れるが、肝ガンなら無痛RFAを選択しよう…などと得意技で病院を選ぶことが可能です。実は、専門病院は今やその治療方法の宣伝でいかに安全で、早く、再発率を抑えたオペができるかをピンポイントに訴求します。これは、一般外科医を望む多くの過疎地域を持つ県の考えとは相反するものです。ですが、医師ならば、この道を進むべきですし、それが完全な医療分業といえるもの。その代わり、病院側はできるだけ麻酔科医や放射線科医を常勤させ、しっかりしたカンファレンスを行えるようにすべきなのです。

大学では何ができるのでしょうか?おそらく、消化器外科は上部と下部に分かれ、その間を誰が仕切るかでコメディカルがもめさえしなければ問題はないでしょう。ですが、医師が協力試合っても、実際にはコメディカルがそうではない場合は、後で取り返しのつかないことが起こりかねません。現実、大学病院でちらほら出てくるインシデントは、医師生命を大きく揺さぶります。あなたにその気があるならば、ぜひ消化器の専門医として多くの良きスタッフのいる病院へ勤務されることを願うばかりです。

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