HOME»診療科別転職 » 泌尿器科~前立腺癌、膀胱癌から尿路結石…と、罹患率増加で求人募集が増える

泌尿器科~前立腺癌、膀胱癌から尿路結石…と、罹患率増加が続く中、医師確保に動く病院の実態は?

泌尿器科への抵抗感から、遅れる前立腺がんの発見

2012年(平成24年)3月24日の日本経済新聞電子版である調査結果が報告されました。約3,100人がインターネット回答に応じた東京大学の調査によれば、前年の7月から8月にかけて、10代から90代の男女の平均年齢は47.9歳が「泌尿器科受診に抵抗感がある」というものでした。

調査は「泌尿器科全般」に関する市民感覚を問うもので、対面式ではないネット調査だとはいえ、その回答は泌尿器科の医師たちにある種の「衝撃」を与えました。中でも「泌尿器科は体のどの部分を診察するところか?」という問いに、「膀胱」「尿道」「前立腺」と答えた人は9割。ところが「腎臓」5割以下と減り(もちろん、ここまでが正解ですが…)、なんと「肛門」と答えた人が4割に及ぶ…という誤回答が存在していたのです。

これは前立腺がんや膀胱がんのシグナルを軽視している実態、あるいは泌尿器科通院への抵抗感からくる「手遅れ」に結びつくのではないか…こうした思いを抱く泌尿器科医が不安に感じた「証拠」となり、その後の広報活動へのきっかけになっています。

泌尿器科でも診療が多いED(勃起障害)がなぜ騒がれるようになったのか

pfizer
ファイザー製薬が大々的に広告宣伝を行ったEDに関する治療の必要性、これは非常に重い日本社会の現状を映し出したことで、厚生労働省も動き出さざるを得ない状態となりました。人口減少や医療費の増加が財政を圧迫している日本経済を考えると、その原因をしっかりと把握していくことが、より重要になります。

中でも、ストレスや飲酒によって「うつ症状」となり、それがEDへ移行する人は50%(ファイザー製薬の公式HP http://www.ed-info.net/know/why/why03.htmlより)に上るとされ、また精神科で処方されたメジャートランキライザー服用の副作用として、EDが指摘される実例もあります。

患者とすれば、ストレス要因が解消されない限り、数多くの症例を抱え込み、その挙げ句処方薬の副作用で二次的な症例の発症…という悲劇が繰り返されることとなり、EDは患者にとって「今一番治療に取り組まなければならないのはなにか」というシグナル、と捉えなければならなくなったのです。

泌尿器科での前立腺がん、尿路結石、膀胱がん…専門医が多くなる泌尿器科の現状

泌尿器科を目指す医師が少ない…一般的に言われているこの話は、地方の総合病院でのケース。実際には患者が増加していることから、外科医の中でも多くの執刀数を受け持つ専門医が徐々に増えているのが実情です。ただ、泌尿器科特有の傾向として、排尿障害•EDといった機能障害を得意とする医師、前立腺がんや女性泌尿器疾患を得意とする医師、あるいは腎がんを得意とする医師など、役割がはっきりと分かれていく部位、ということがいえるでしょう。

そのため、尿路結石の治療方法である「体外衝撃波結石破砕術」など、多額の費用がかかる医療器機を装備しなければならない診療科目でもあり、器機をレンタルで済ませたとしても、遠隔操作システム一式など全ての器機へのコストは非常に大きなものになります。医師とすれば、特に泌尿器科は器機あっての手わざであるにもかかわらず、最新式の器機を導入できない病院での執刀は自らの実績評価を下げることとなりかねません。

また、前立腺がんのように高齢患者特有の症例では、一部の患者が自主的にPSA検査を行っているのが現状です。そのため、日本全国の市町村でがん検診があったとしても、PSA検査はありません。これに対し、膀胱がんは年間の発生件数が約1.8万人、そのうち死亡数は6,000人と言われています。40代から50代にかけての働き盛りの世代での発症が多いことから、こちらは内視鏡手術から放射線療法まで数多く、専門性の高い処置を必要とし、専門医に症例が偏る方向になります。

泌尿器科を持つ病院は「何を売りにするか」をしっかりすべき

泌尿器科医は、専門病院に多く配属されることが多くなっており、病院側も「どの泌尿器疾患に強いのか」を鮮明にしなければならない時代です。それは、上記にも述べましたが、尿路結石の器機のような「医療器機のコストが高い」という現実があります。日本では器機の専門商社が米国やドイツのメーカーから直接取引せず、問屋を通すなどの中間マージンが一般的です。

また、前立腺がんは直接生死にかかわらない患者が多い(患者の多くが高齢者ということから)ため、以前は診療報酬が低く抑えられてきました。そのため、医師がいても病院が増えないという事態が続きました。現在は30例から100例を目指す医師が増えており、知名度のある病院に医師の人気が集中するようになっています。

総じて言えることですが、泌尿器科は今後ますます需要が高まる傾向になります。ですが、病院選びを慎重に行わなければならないのは、患者だけではありません。むしろ医師の方がどのような病院に勤務するかで、命運が決まるといってもよいでしょう。出来るだけスタッフと器機の充実、そして診療方針が一貫している病院を選んでおくのが一番です。

都道府県を選択 希望診療科目を選択
こだわり条件検索

条件を入力して検索ボタンを押して下さい。

こちらの記事もおすすめ
  • 美容整形外科へ転職する医師が増える背景 美容整形外科へ転職する医師が増える背景
    美容整形外科へ転職する医師が増える背景。時間にゆとりのある転科の候補として「美容整形外科」に進む医師も少なくないのです。夜勤がなく、オンコールもなし。...
  • リウマチ科の治療、精神科や心療内科との住み分けが難しい リウマチ科の治療、精神科や心療内科との住み分けが難しい
    リウマチ科の治療、精神科や心療内科との住み分けが難しい 全国で70万人から100万人にもの患者がいると言われる「関節リウマチ」。リウマチ患者の大...
  • 放射線科の求人募集~読影能力の上達は、医療器機の発達が全てではない。 放射線科の求人募集~読影能力の上達は、医療器機の発達が全てではない。
    地方の市立病院や町立病院では「放射線科医師」の募集が見られる場合があります。放射線技師ではなく、医師である理由はこの「健康診断」にあるからです。転職サ...
  • 心臓血管外科、順天堂大学医院が一躍有名に 心臓血管外科、順天堂大学医院が一躍有名に
    心臓血管外科、順天堂大学医院が一躍有名に 順天堂大学医院を一躍有名にした天野篤医師の手術から読み取るものは天皇の執刀医…一躍その名を日本全国に知...
  • 眼科医はなぜ転職するのか? 眼科医はなぜ転職するのか?
    総合病院での報酬がそれほど高くない、と思われるのか、また開業医の「力量」で患者の量が増減しますので、より高度なスキルを求めて「専門病院」に転職を計るド...
  • «
    »


    メニューリスト