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整形外科の求人状況~開業医が増加する理由は?

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CT画像から診断して、手わざによる執刀の経験値で名医となる整形外科医が続々誕生した1980年代から、コンピュータ支援手術の全国的な普及で、その正確度やオリジナリティが可能になっている2000年代。総合病院や整形外科専門病院に勤務することが、医師の評価を挙げると考えられている一方で、個人で開業する整形外科医も多く見られます。整形外科医の進んでいく方向性について、患者からの視点でまとめてみます。

整形外科の実情~非常に年月のかかる、術後の加療

1962年、イギリスの John Charnley 医師が開発した人工股関節は、ステンレス製のボールと骨セメントを使用したものとして、外科医ならば記憶している事項でしょう。むろん、セメントの有無だけが先行して関節の「ゆるみ」に焦点が当たってきましたが、本質的な問題はインプラントそのものではなく、加齢による生活環境の変化で個人差はありながらも、磨耗せざるを得ない材質のへたりによるものでした。

整形外科医の仕事は、様々な骨に関する治療ですが、それは手術によって全てが完治するという訳にはいきません。内臓疾患のように、腫瘍を除去することで回復するという確証もなければ、加齢という現状に合わせて加療が必要になってくるからです。そのため、整形外科医に通院すると、数年から数十年と担当医に診断を仰ぐことが恒常化してきました。逆にいえば、それが整形外科医の大きな症例として技術向上を伴ってきたのです。

整形外科、どうしても「最新技術」を求めたがる患者のニーズ

今日、整形外科医師を助けるものが「コンピュータ支援」という虎の巻です。コンピュータの役割は様々であり、まず画像解析から患部の3D分析が可能であること。その解析図をもとに執刀手順が明確化され、人工関節のサイズや再手術への対応もスピーディに行えます。

また、手わざそのものにコンピュータ支援が活用される場合、多くは「ナビゲータ」として利用されています。そして、2000年代に入り、ロボットによる人工股関節全置換術(ROBODOC)が始まりました。大腿骨にロボットがメスを入れるという時代に入り、侵襲度合いも低くなるなど患者への負担が減るものと期待されています。

robodoc

ですが、問題はセメントからの「逃避」という現実です。多くの整形外科医がセメントを使った手わざを回避するようになることで、セメントレスステムなどが医療品メーカーからの攻勢を受けるようになってきました。セメントはそれなりの良さがあり、全てのオペがセメントレスに置き換わるのは、むしろ医療費の上昇につながります。高齢者にとってはセメントでも十分と思われる場合も多く、患者への説明もしっかり行うことが必要になっている、と思われるのです。

手わざをこなすだけでは、時間が足りない!新しい医療器機の習得との戦いで、疲労する医師も

世の中には「柔道整復師」(国家資格)、「整体師」(民間資格)などと医師免許の不要な施術を行う人たちが多く働いています。その中で、整形外科クリニックが増加している原因は2つあると言われています。一つは「生活環境の変化」と「整形外科が二極化している」という点です。

整形外科クリニックの大きな役割は、多くの人がかかりつけ医として求めている現状があります。高齢者が抱える「リウマチ」や「すべり症」、あるいは夏場の冷房による「腰痛」や「肩痛」、そして「骨粗鬆症」などや、パソコンやスマホが原因と言われる「テニス肘(バックハンド症例)」…と大学病院や総合病院に行くまでもないと判断される症例が増加していることで、個人開業医が必要とされているのです。

これに対し、大規模整形外科医院や大学病院の場合は、クリニック診察の後、紹介状を受け取り臨床するというパターンができつつあります。つまり、ひところは「執刀医」こそ名医、という潜在意識がだんだんと多様化し、医療器機の最新化によって、手わざよりもロボットアームの操作に縛られる現実に、戸惑いを隠せない医師も少なくありません、それならば、執刀から離れ、手で患者の患部を診る、レントゲンで患部を診る…といった本来の手わざの限界まで力をいれたい!という開業医も増加しています。

これからの整形外科勤務医の姿とは

整形外科は外傷治療、下肢治療、ヘルニア専門、あるいはスポーツ整形…とその役割がどんどんと細分化されていきます。開業医が総合医として地域の核になり、自分の臨床範囲を超えた治療法が必要な場合は、専門病院や大学病院へ患者を誘導する…こういった、医療全般で目指すべき姿がいち早く完成つつあります。

つまり、整形外科医を目指す医師や、大学病院勤務、地域の総合病院や専門病院勤務を目指す場合は、自分のやりたい医療の形をしっかり持って追求できる時代がやってきている…ということです。むろん、医療器機の進歩はあるでしょうし、人工股関節ひとつに関しても、日々その材質が変化します。それは高齢化社会でよりQOLを高めるための大きな支えになることからして、整形外科医の一人一人が勤務医院のメリットを活かせる証左とも言えるのです。

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