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放射線科の求人募集~読影能力の上達は、医療器機の発達が全てではない。

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放射線科医と麻酔科医…共通点は「ひっぱりだこ」であるということ。なぜそれほど人気なのでしょうか?研究医でもなければ臨床医でもない、かといってオペの際に欠かせない麻酔科医とCTから MRIまで、画像だけを頼りに診断する放射線科医の存在は、全ての医師にとって臨床前、術前の患者情報をいかに正確に得るか、という羅針盤のような役割です。画像診断医とも呼ばれる放射線科医の人気は高まるばかりですが、その影に隠れた問題点を浮き彫りにします。

断層画像診断料が「医療機関の利益を倍増」させる打出の小槌になっている現状

診断放射線技師の高学歴化が進みにつれ、放射線科医の役割も非常に高くなっているのをご存知でしょうか?放射線技師は医療機関だけでなく、企業の非破壊検査部門や、官庁などでも活躍の場が飛躍的に増えています。国家試験である診断放射線技師の合格率は6割程度。医療機関においても、専門用語を駆使しなければ読影そのものが成り立たなくなっているのが現実です。

放射線科医を常勤させる医療機関にとって、診療報酬制度の改革はチャンス。行政はX線(レントゲン)撮影、CTやMRIなどを利用する検査は、医療ミスの撲滅と無駄な治療の排除に効果がある、と考えました。単純CTで2万円、造影CTで4万円といった「検査料総額」、そして「画像フイルム代金」に加え、「断層画像診断料」(場合によっては1,000点を軽く超える)という診療報酬まで設定されていますから、病院にとって放射線科医はどうしても欲しいわけです。

もっと細かく言えば、CTのマルチスライス(患者の周りを1回転しながら、断層(スライス)写真を撮り続ける)の数が多いほど、より精密な画像が確保できます。が、それは臓器、部位によってどの程度必要かは異なります。問題は、撮影にあるのではなく、その読影です。画像診断医として日々読影にかける時間が多くなければ、結果的に診断ミスの原因を作ることにもなりかねません。そのため、医療機関は「確かな腕の画像診断医が欲しい、検査を多くやりたい」と考えます。

画像診断を「放置」する臨床医。実は専門分野以外を診ない「総合病院」ほど、インシデントは起こりやすい

2014年(平成26年)4月30日の神戸新聞NEXT(ネット版)の医療ニュースに「胸部の陰影を見逃す…」というショッキングな記事が掲載されました。病床数700床、診療科数32の神戸市立医療センター中央市民病院で、(同市脳神経外科の男性医師2人が、脳動脈瘤で入院した男性患者の胸部X線画像を見ずに放置した「インシデント」です。問題は、画像にあった「陰影」の見逃し。ただ、現実は画像確認を全く行っていなかったという事実の判明でした。この記事からは画像診断医の存在は伺えませんが、臨床医が自分の専門分野以外には「感心がなかった」のか、それとも「確認のために撮った画像」として処理してしまったのか、などがはっきりしません。

このケースでは別の病院で「肺がん」がわかった患者が、再びこの病院で治療を受けるのですが、この一連の流れには
神戸中央病院が「結核の院内感染予防のため、全ての入院患者の胸部をX線撮影」という事項が隠されています。「脳動脈瘤の治療に気を取られ」た医師は、胸部には無関心だった…ということは、誰の問題でしょうか?これは、病院の診療方針が全ての医師にしっかり伝わっていないことではないでしょうか?画像の意味はどこにあるのか、それが問われるインシデントの典型とも言えます。

診療科数が増えれば、それだけ「画像を読めない医師」が増えることを意味する。だから、放射線科医はどういった病院に勤務すべきかをよく考えるべき

神戸市は国際医療都市を目指し、近年目覚ましい医療集中のハードを作り上げています。ですが、こうした施設を活用するのはソフトである医師、看護師、そしてコメディカルのチームであるのは言うまでもありません。画像を撮影する機器は導入されても、読影する技術が「特定の診療科」に偏る場合は、それを活かせる専門病院に行くのが放射線科医にとって一番でしょう。

そして、できれば診療放射線技師が勤務しており、しっかりと言語を理解しているかどうかを確認するのが第一です。例えば、胸部の読影では「コンソリデーション」といった画像所見ができるかどうか、ということも必要です。結節や腫瘍に結びつける前に、どの程度の「硬さ」になっているのかという確実なニュアンスが伝わること、これが画像診断に必要不可欠です。

うちの病院では遠隔での画像診断…というのは離島や過疎地域の病院の事情であっても、自分がその立場になった場合、どれだけの読影が要求されるかはその病院の「診療方針」が鍵であるのは言うまでもありません。ですから、とりあえず、求人があるから…と安易に入職する前に、自分のスキルアップが図られるかどうかをよく考え、医師の臨床姿勢も把握することが大切でしょう。

放射線科医への要求度合い

地方の大学病院に参りますと、放射線科の医師が専門で動くことがあります。これは比較的大きな外科病院でもありますが、臨床検査で「MRI」「CT」「X線」「RI(血流検査)」に至る画像分析と結果報告を患者に行なうケースがあります。
通常放射線科の医師が、患者に検査結果を行なうのは「健康診断」程度ですが、地方の市立病院や町立病院では「放射線科医師」の募集が見られる場合があります。放射線技師ではなく、医師である理由はこの「健康診断」にあるからです。
脳、臓器、骨格、血流とさまざまなスキャニングを行い、画像分析を行なうことで、患者の症例原因がわかってくるのですが、これは判別作業が重要なのではなく「如何に患者にうまく説明するか」ということにかかってきます。ですから、やはり経験を積んだ放射線科の医師は、毎年「一ヶ月単位で出張」する日々がやってくるのです。
この場合は「診察、診断」ではなく「あくまでも現状説明」と「症状の進行予測、かつ予防医学」に重点が置かれますので、広く全般における医療知識で事足りることになります。実際、RIにおいては脳血流で重要な判定材料になりますが、血液に造影剤を流す行為自体は脳外科あるいは脳神経外科、神経内科の医師でも行なうのですが、画像解析だけを放射線科の医師が担当する、ということ自体は「都心の一般病院では」ありえません。

放射線科医への要求度合いの違いはこうして生まれる

では、放射線科医師が必要とされる病院は「放射線技師」を雇用しない「傷病の比較的多い」外科、脳外科などの地方広域病院となります。町立病院、国立病院に加え、社会医療法人の老人専用の病院では、診断で放射線機器を使用しますので、求人が行なわれることになります。
放射線科医師が一般患者の診断を可能とする行為は限られていますが、逆に「他のどの科の病院へ移送すればよいか」という判断材料を有する事になりますから、転職サイトもこの辺りをよく注意して「希望地域や勤務体制」を見て、動く事がよろしいのでは、と思われます。
また、一般的なことですが「放射線科医師」は全ての病院にいるのではなく「放射線技師」も全ての病院に配属されているのではありません。ですが名目上「放射線科医師」がいるのは外科、整形外科に限られる傾向です。逆をいいますと、もし体調に不安を感じる医師の場合は、放射線科医として「ゆるやかな勤務状況」に徹する事も可能ですから、ご自分の体力や気力に応じてスキルを活かすのによいのでは、と思われます。

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