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形成外科医師の求人~広がる患者のニーズの先にあるものは

公立病院が形成外科臨床を行う理由は何か?広がる患者のニーズの先にあるものは

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2005年(平成17年)に形成外科を新たな診療科としてスタートさせたのが、北九州市の産業医科大学です。マスコミでたびたび話題になる「皮膚移植」では、火傷が原因とされるものが多く散見されます。そのため、皮膚科の専門外来として形成外科はどの大学にもありましたが、産業医科大学のように歴史の新しい専門診療科が表に出てくることで、形成外科ニーズが非常に多いことがわかるでしょう。その実態を今後を見据えて記してみます。

美容外科だけが形成外科?一般社会にある偏見は深刻

形成外科臨床の多くは、健康保険の対象外となる自由診療がメインです。厚生労働省の考え方は、あくまでも「疾病」「外傷」の治癒を目的とした医療行為に対する診療報酬であって、社会生活上、個人的な劣等感の原因となる皮膚症例について保険対象とした場合、それが医療と言えるのか?という神学論争に発展してしまう可能性があります。
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そして、この問題に輪をかけているのが、時々見られる美容歯科クリニックのインプラント事故と眼科によるシーレックの失敗事例です。両方とも、高度な技術を持っている医師は存在するのですが、一部の医師が経験未熟のまま行う施術が、結果として人災となっています。ただし、自由診療の場合はあくまでも、患者の自己責任に帰結してしまうことから、この分野が一般の臨床科目よりも「一段低い」見方をされるのは、どうしようもありません。

なぜ、形成外科に関心のある医師が増えるのか

魚を包丁で下ろしたり、カエルの解剖を行ったり…元来外科医の基本は生き物の臓器を綺麗に取り分けることから始まります。世界で初めてマイクロサージャリーを行い、第一人者となった 波利井 清紀(はりい きよのり)医師。現在杏林大学医学部で後進の指導に当たっていますが、顕微鏡の先で組織移植を成功させ、血管を綺麗に縫い付ける手わざはまさに「神技」と称されます。

彼が行ったマイクロサージャリーそのものは、アメリカで理論だけは発表されていましたが、実際に成功させるのは容易なことではありませんでした。幸い東京警察病院という官立病院ならではの環境が、耳のない子供に耳を復元させ、口唇裂を治療し、がんや事故による皮膚欠損を修復するなど、社会生活に支障のある患者のQOLを格段に向上させて行きました。この技術は手先の器用な日本人に非常に「合っている」こと、そして救急外来とは違い、生命の危機は生じないかわりに、じっくりと時間をかけて患者に向き合える…という医療姿勢が、多くの外科医の注目を浴びるようになったのです。

美容外科という「ジャンル」が、一人歩きした結果、医師と患者の世界観を変えてしまった

美容大国の筆頭は「イスラエル」、日本の美容業界ではそう教えられています。イスラエルは塩分濃度の高い「死海」があり、岩塩を肌に取り込むことで、美しい女性が多いことで知られます。温暖な気候、オリーブオイルの摂取など、確かに健康面でも高い評価のある地域ですが、もう一つの面は「レーザー技術」の高さでしょう。皮肉な話ですが、イスラエルのレーザー技術は、軍事的に敵国に囲まれる地域性から生まれたもの。それが、民生化してレーザー脱毛器を世界ナンバーワンのシェアに押し上げたのは、さすが…と言わざるを得ません。

レーザー技術は色の識別によって、部分的に焼き切る特殊性を特に応用しているのが、脱毛技術です。これらは医師の資格がなければ操作できない施術ですが、美容ブームの影に「皮膚移植」や「切断面の接合」といった習得に時間のかかる手わざではなく、どの診療科でも行える安易な美容外科のチェーン店展開がもてはやされたことで、一般社会が美容皮膚科、美容外科、審美歯科への敷居を感じなくなってきた…という現実が出てきました。中には、フィリピンや韓国、タイといったアジア各国でより「安い価格」で整形手術旅行を…という旅行プランも発売され、その実態に医師も患者も飲み込まれてしまったわけです。

再生医療という「本来の医療の姿」が、形成外科の新たなステージを構築する

さて、保険の効かない美容外科で、鼻を高くする施術を行う医師も、再生医療の道が保険医療となるならば、方向性ががらりと変わる可能性が出てきます。ips細胞が再生医療の鍵…と言われていますが、日本で2,500万人の変形性膝関節症を治す医療が幹細胞移植という方法で完治へ向かわせる、という朗報が2015年(平成27年)7月に発表されました。東京医科歯科大学の再生医療研究センターの臨床が認可されたことで、実際に治療が始まることになりました。

むろん、形成外科分野と再生医療が完全に結びつくかといえば、その内実は多くの研究員の成果が必要になります。ですが、今後は美容施術そのものへの応用として、再生医療が活躍することが現実になります。そうなれば、より健康な臓器や健康な骨格を目指すクリニックがさらに細分化され、人々の細かいニーズに応える医療となって発展していくに違いないでしょう。つまり、美容整形そのものが大きく変わる可能性が出てくると言えるのです。

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