HOME»地域別 » 岡山県の医師求人状況~喘息患者の多さという地域性

岡山県の医師求人状況~喘息患者の多さという地域性

okayama01
喘息患者の多さ、という意外性はなぜ生まれたか?呼吸器系の病院の実力は?
2015年(平成27年)4月、岡山大学病院で世界初の手術が行われました。脳死患者の片肺と、生存している人の片肺を同時に移植する「ハイブリッド移植」です。左右の肺をそれぞれ別人から移植することは、非常に稀であり、生存ドナーと患者本人の体調は問題ないことから、無事成功したことが世界に向けて発表されたのです。なぜ、岡山大学でオペが行われたのか、なぜ成功したのか…その理由を探っていきます。

呼吸器系疾患にこだわる、岡山県の特殊な事情とは

2008年(平成20年)の厚生労働省のある調査結果が「意外な事実」として世間を驚かせました。全国の都道府県からあらかじめ抽出した病院に連絡を取り、特定日の受診患者数(入院、通院など)を調査する「患者調査」と呼ばれるものです。それによれば、この年の全国の喘息患者数は88.8万人。人口1万人あたりの喘息患者数は69.88人に上ります。

問題の、人口1万人あたり喘息患者数で「最も多い」のは112.92人の岡山県。逆に、最も少ないのは長崎県で47.65人、と報告されました。なぜ岡山なのか、ちなみに次点は鹿児島、鳥取、北海道…と気候には無関係であることがわかります。なぜこういうことになったのか…これにはある理由があることがわかりました。

高齢化社会や東京圏の人口密集化から「移住」希望を考える人が増加していますが、実際に人気なのは「長野」「山梨」と「岡山」が常にトップ3で推移しています。長野県と山梨県の場合は、東京から新幹線や中央線で往来可能ですが、冬の寒さは呼吸器系に持病を持つ患者には不適、とされます。これに対して、岡山県はより温暖な地であること、そして関西地区と広島地区の間にあり、瀬戸内海にも面しているという「暖かい海風」というロケーションが移住イメージに反映しているのでしょう。つまり、保養地かつ療養地としての魅力を兼ね備えた県、と岡山が捉えられているわけです。

地元の患者ではなく、近隣県や都市圏からの移住者が「喘息患者」としてやってきた

岡山県といえば新幹線駅があることから、優良企業が集まっていることで知られています。特に食品関係では「カバヤ食品」、「源吉兆庵」、「オハヨー乳業」、「林原」(トレハロースのシェア、世界一)などが知られ、教育産業の「ベネッセコーポレーション」、流通の「天満屋」などが地元企業として成長を続けています。また、紳士服の量販店からドラッグストアチェーン店など、活気ある業界が次々と生まれているのも特徴と言えます。

工業県としての実力で言えば、東の兵庫県と西の広島県に挟まれていることから、工業都市特有の「空気の悪さ」はなく、
対岸の香川県との間の「瀬戸大橋」は素晴らしい光景のひとつとして人気スポットになっているほどです。つまり、橋一本が岡山のイメージを大きく変え、香川県の住民をも取り込んでいるほどなのが理解できるでしょう。これは、隣県兵庫の神戸医療都市構想による「神戸港湾再開発」とは全く違う在来型医療施設の拡充、という方向性がしっかりしていることが岡山大学医学部に反映されていると言えるのです。

岡山大学といえば、呼吸器系…症例の多さは確実に有利

okayama02
肺疾患は「肺機種」や「喘息」の患者数が減らないことで、問題視されています。特に、喘息はステロイド吸入で症状が落ち着くことが立証されているにもかかわらず、アトピーを併発している患者には皮膚科医が「非ステロイド」を勧めるなど、通院先が全く異なる病院の場合は、患者にとって選択肢が増える不幸な事態に陥ります。

ただ、喘息に注目していけば、岡山大学は「若年層の喘息による死亡」が0にならないことに危惧し、呼吸器系の研究に力を入れてきたのが事実です。そして、最初に記載した「肺移植」ですが、1998年(平成10年)に国内初例を成功させ、2014年(平成26年)12月末までに、総数136例と、国内全体の34%と最高の症例数を誇っています。また、岡山大学の公式HPによれば「術後成績も極めて良好、5年生存率は80%を超となり、世界の最高水準。肺悪性腫瘍に関し、肺移植技術を生かした拡大手術、完全胸腔鏡下肺葉切除などの低侵襲手術まで行う」とのレベルを公表しています。

こうした大学の自信は、県内200以上もの呼吸器内科が、患者の疾患程度に応じた治療方法を取ることができやすいことに繋がります。また、倉敷市や津山市、備前市にも呼吸器外科を持つ総合病院が配置され、川崎医科大の付属病院が倉敷市にあることから、私大と国立大の橋頭堡がそびえることでも、非常に安心感のある県というイメージが持たれているのは間違いないところです。

川崎医科大学付属病院の新設(平成28年8月)で、医師の大移動がはじまる
岡山県は中国四国地方唯一の私大、川崎医大を抱えていることから、新病院への期待が高まっています。川崎医大は医学部唯一の付属高校を持つこともあり、医療教育に力を入れていることも特徴です。岡山に移住して家族と過ごす機会を増やし、子供の将来も考えるのに、岡山は一考の余地があると言えるかもしれません。

都道府県を選択 希望診療科目を選択
こだわり条件検索

条件を入力して検索ボタンを押して下さい。

こちらの記事もおすすめ
  • 秋田県の求人募集~上小阿仁村の「医師いじめ」は本当か? 秋田県の求人募集~上小阿仁村の「医師いじめ」は本当か?
    秋田県の求人募集~上小阿仁村の「医師いじめ」は本当か? 無医村に勤務するデメリットの本質とは?
高齢化と過疎化は、日本全国が抱える大きな問題のひ...
  • 熊本県の医師求人転職~精神病床がなぜ多いのか? 熊本県の医師求人転職~精神病床がなぜ多いのか?
    熊本県の医師求人転職~精神病床がなぜ多いのか? 2010年の厚生労働省による資料では、四大疾病(脳血管疾患、心疾患、がん、糖尿病)を調査したとこ...
  • 山形県外出身医が「住みやすい」と感じる不思議!多雪地帯でのゆとりの秘密 山形県外出身医が「住みやすい」と感じる不思議!多雪地帯でのゆとりの秘密
    山形県外出身医が「住みやすい」と感じる不思議!多雪地帯でのゆとりの秘密 山形大学医学部をヘッドクォーターとする地域と、そうではない地域がある山形...
  • 岡山県の医師求人状況~喘息患者の多さという地域性 岡山県の医師求人状況~喘息患者の多さという地域性
    岡山県の医師求人状況~喘息患者の多さという地域性 喘息患者の多さ、という意外性はなぜ生まれたか?呼吸器系の病院の実力は?2015年(平成27年)...
  • 医師、岐阜の求人~臨床研修医の充足率はなぜ低いのか? 医師、岐阜の求人~臨床研修医の充足率はなぜ低いのか?
    医師、岐阜の求人~臨床研修医の充足率はなぜ低いのか? 臨床研修医の充足率はなぜ低いのか?地域医療に進む少数派の頑張りとは人口200万人、県唯一の...
  • «
    »


    メニューリスト