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山形県外出身医が「住みやすい」と感じる不思議!多雪地帯でのゆとりの秘密

yamagata
山形大学医学部をヘッドクォーターとする地域と、そうではない地域がある山形県。そのため、県外出身者や日本医科大医局との連携など、多彩なメンバーが山形で医療に取り組んでいる実態が報告されています。多雪地帯であって、夏はそれなりに暑いという地域であるにも関わらず、山形市の東側に隣接するのが仙台市…という大きな文化圏にあるためか、山形は住みやすく、道路網もいい…こうした地域での医療の実態を考えてみます。

山形県での医師不足は全国同様。だが、内科医不足は深刻

山形県は村山地区(山形市、寒河江市、天童市など)・最上地区(新庄市など)・置賜地区(米沢市など)・庄内地方(酒田市、鶴岡市など)の4つに分かれています。他県同様、実はこの4地区は歴史的にも全く異なる藩が経営していた領地であり、文化圏として根強くのこる地域差は、東北特有のものです。ですが、青森の南部藩と津軽藩の諍いが現在もあるような地域対立は皆無。それも、山形大学の先進医療(がん)の評判の高さが要因のひとつ、といえます。

山形県輩出の有力政治家、といえば加藤紘一氏ですが、その影響は山形県内の道路整備率の高さが物語ります。仙台市から山形市へは東北道と山形道(高速)で60㎞足らず。県境にはスキーで有名な蔵王連峰があり、その下をトンネルが貫通しています。東北随一の経済圏である仙台市は、道路整備が遅れ、大規模病院も数が少ないことで知られています。それに比べ、山形市は山形大学病院が重粒子線治療から、地域医療まで非常に高度な設備を配しています。そのためか、外科医が多く育ち、内科医が不足するという現実に結びついているのです。

山形大学は留年組が多い

山大生は他大学よりも留年生が多く、研修医が大学病院に多く在籍しているのも特徴です。臨床医学に軸足を置いていることもあり、内視鏡技術は全国でも秀でたものがあります。大学偏差値は医学部に関しては当てはまらないのが通常で、あくまでも国家資格試験合格率の高さで計れば、山形大学の実力は高いのです。

この地で働くことを考えるならば、呼吸器・循環器・消化器系の医師が期待されます。他県に比べて脳血管疾患、胃がん患者が多く、糖尿病患者が少ないのが特徴。そのため、予防医学の観点からかかりつけ医療を標榜する総合内科医の増加が求められています。ただ、山大生は内科医としての臨床と外科医としての臨床の両面で厳しい指導が続くことから、結果として、手わざの多い外科医へと駒を進める研修医がどうしても多くなるのは仕方のないところです。

酒田市の「日本海総合病院」を見てみる

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独立行政法人 山形県・酒田市病院機構 日本海総合病院は646床を有する庄内二次医療圏最大の病院です。夏は40℃を超え、冬は−15℃にもなる気温差、そして日本海の風の強さから風力発電の拠点となる地域が酒田市です。この地にある日本海総合病院は人口10万人余の市としては、非常に高い医療を提供する施設として東北有数の病院となっています。

こうした病院が1県にひとつかふたつというのが通例ですが、山形県には県立新庄病院(454床)、公立置賜総合病院(520床)、鶴岡市立荘内病院(521床)など病床数400以上の大規模病院が非常に多く、そして4つの地区にきちんと分散されているのが特徴です。そして、ぜひ考えて見たいのは、日本海総合病院が現在山形大学関連病院会の幹事を務めている…という点です。

山形大学関連病院会とは、診療科の中で休診にさせないよう、医師をしっかりと研修し、医師の立場を考えた雇用を多くの病院で共有する仕組み。もちろん、開業医として独立する医師にはさすがに縛りはできませんが、待遇や医療施設の改新などは定期的に行っており、地方の医療状況とは思えないほどの高度医療が行えるのが大変有利と言えるのです。

山形県は産科婦人科が機能する、数少ない県

9時5時と言われるマタニティクリニックが増加する中、地方では出産を諦め、都市の病院で入院出産する妊婦さんが増えています。ところが、山形県の場合1980年から2010年に至る30年で人口減が極端に高いわけではありません。これは、経済活動が活発な宮城県に接していること、山形新幹線の開通、そして道路網の整備と企業の誘致が成功していることによります。

特に、人口増減が安定している理由のひとつは「産科」の充実と、育児環境の良さにあります。山形大学医学部出身の医師が県内入職する率が高いことも挙げられますが、医師として住居環境が整っていることも要因のひとつ。風通しのよい病院間の連絡体制や、基幹病院と非基幹病院の医療の住み分けによる「病棟建設を巡る地域の軋轢」もないのが、山形での病院経営側の安定を物語っているのです。

むろん、求人は常時あるのが通例ですが、東京でなければできない医療…という次元は地方でも実は可能であるという共通項に変わりつつあること、そして医師の住居環境を考えれば、山形の好立地ぶりを認めてよいところではないでしょうか。

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