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山口の求人転職/県民の医療費は、意外に高い。高齢化と開業医の多さが特徴

yamaguchi
人口約144.5万 (2012年=平成24年、3月31日現在)、山口県は19の市と町で形成される本州最西端の県ですが、北九州市と隣同士であることから、医療に関しても九州側に依存するという特徴のある地域です。本州の中では、日本海と瀬戸内海、関門海峡と3方を海に囲まれていることから、農業・漁業・港湾の利便性から様々な産業の工場地帯もある様々な顔を持った県と言えます。

面積も人口も比較的小規模な地域ではありますが、医療費が他県よりも高いことから、地域的な疾病などが統計的にも表れており、これをもとに山口県での医療状況を考えていきたいと思います。

肺がん死亡率が高め、医師の観点で山口県民の統計を探る

厚生労働省の調査の中で「都道府県別死因分析」があります。予め対象の疾患を8つに定め、各県を調査したものです。内容は次の通りです。(1)脳血管疾患(2)心疾患(3)糖尿病(4)胃がん(5)肺がん(6)子宮がん(7)乳がん(8)大腸がん となっており、調査した時期は、1995年(平成7年)から1999年(平成11年)までの5年間で、「人口動態統計」からはじきだしたものです。

これによると、山口県の死因の特徴は男女ともに「肺がん」が標準値よりも高いこと、女性の「糖尿病」が少ないという結果が出ています。隣県の広島県が女性の「子宮がん」が多いこと、男性の疾患は標準値より全て低いことを考えると、何かしら理由がある、ということがわかります。九州の福岡県の場合は、男性が「肺がん」「糖尿病」がやや高く、女性は「糖尿病」「心疾患」が少なく、「肺がん」「子宮がん」を含めた「ガン死亡率」が高いことから、山口県民は九州側の福岡県民の健康状態にやや近い、ということが理解できるのです。

医師の視点~入院費用が多い、山口県民

全国健康保険協会(協会けんぽ)の「都道府県支部別 加入者1人当たり医療費の状況 (平成25年度)」によると、 年間の医療費は一人当たり、全国平均 163,817円 です。平均値を大きく上回るのは、1位北海道、2位佐賀県、3位が山口県で、山口県は全国平均額を1.8万円ほど高くなっています。

北海道の場合は、冬場の「社会的入院」という独特な条件があり(これは、冬季間が長く、多雪地帯や寒冷地帯が多いため、自宅療養が困難になることから、敢えて病棟入院させる習慣があります)、全国でも稀有な医療地域と言えますが、山口県は温暖であることと、県の面積に対しての医師の数、看護師の数も少ないことから、本来は医療費がかかりずらいと考えられているのです。にもかかわらず、医療費が高い理由は何でしょうか?

さらにデータを精査してみると、山口県民の医療費について2つの特徴があることが判明します。ひとつは「ひとりあたりの入院医療費」が5.3万円、「ひとりあたりの入院日数」は45日、という結果です。ちなみに、北海道の場合は、入院費用は高いのですが、日数は36日程度。山口県より金額と日数が多いのは佐賀県だけでした。

これは、何を意味するのでしょうか?入院日数の長さや医療費の高さから伺えるのは、人口あたりの病床数が全国平均よりも高い、という事実です。つまり、山口県民は全国でも「病院」「入院病棟」に恵まれている…ということが立証された、というわけです。

医師の観点。県内の医療バランスがよい、山口県

病床数や医師、看護師数が全国平均よりも高い、という理由の一つは「北九州」方面からの医師の流入がある、ということがあります。関門海峡の存在もあり、大企業の工場など産業が発展している土地柄で、大規模病院も多く、また療養型病棟や精神科病棟も多いという特徴があります。

また、大変面白い現象ですが、医療過疎といわれる地域が存在しない…のも山口県ならでは、でしょう。そのため、西の下関地域から東の岩国、そして日本海側の萩に至るまで、道路網と医療施設が整っていることが挙げられます。理由は「多くの有力政治家の輩出」という副産物ですが、その影響もあり、住みやすく医師の間でも希望する医療施設に困らない…という声が多いわけです。

さて、肺がん死亡率の高さは、どこからくるのか?という答えですが、国立病院機構山陽病院(宇部市)の肺がん治療が全国的にも有名であることが挙げられます。肺がんのオペそのものは他の臓器に比べて困難が多いことはよく知られています。また、低侵襲手術にも限界があり、症例を多く持つ病院であっても、どうしても生存率は他のがんよりも低くなってしまうのは「致し方のないところ」でしょう。

そのため、多くの病院では困難さが要求される肺がん手術よりも、他の臓器に研究の重点を置くとこは少なくありません。ただ、山口県の場合は、医療過疎が見当たらないなどの医療リスクが少ないことから、肺がん治療にも取り組める「余裕」が生まれ、結果として肺がん患者を多く受け入れ、結果として死亡した場合の原因として「肺がん」と死亡診断書に記載できるだけの「数」が揃ったことが、全ての要因と言えるのではないでしょうか。

このように、山口県での勤務を考慮するならば、まずはどの地域でも利便性があることを考えて、現在の診療科をより充実できる病院を探すなど、細かく条件を見ながら決めていくのが良いでしょう。

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