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和歌山の求人や転職、かかりつけ医が専門病院化する背景

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大阪府に隣接する和歌山県、その特殊事情はまさに「日本の縮図」とも言える医療状況そのものではないでしょうか?県庁所在地のある和歌山市に県内の50%の医師が集中し、それ以外の地域は医師不足が顕著になっています。なぜそこまでの状況になっているのか、それは近畿地方全体の医師を巡る「ひき抜き」があることに一因がある、と言われています。和歌山のケースから、本当に自分が歩みたい医師としての人生のあり方を考えていきましょう。

民間の総合病院が極端に少ない和歌山県

地域医療を支えるのは診療所、それは通院患者にとって当たり前の選択肢です。ですが、呼吸器系や循環器系、あるいは内臓疾患などで長期入院を必要とする患者の場合、病床数の多い総合病院こそが生命線となります。そのため、多くの県では大学病院と県立病院、あるいは市町村が共同で経営する中核病院と、大規模民間病院などが地域の核となるのが一般的です。

例えば福島県にある総合南東北病院は、関連病院が宮城県、青森県、東京都と数十にも及ぶ大規模な医療法人として独自の経営スタイルを持っています。千葉県鴨川市の亀田総合病院も同じように、創業者一族の巧みな経営手腕で、町ぐるみで応援体制を得るなどして発展してきました。

ところが、和歌山県内の大規模病院は、大学病院や社会保険病院、市立病院以外の民間病院として「古梅記念病院」(110床、内科・外科・脳神経外科)、「誠佑記念病院」(112床、循環器科・心臓血管外科・消化器科)などしかありません。いずれも和歌山市内にあり、その他の地区では勤務医として働く医師は少ないのが実情です。

和歌山では隣県の医師不足にまで対応を迫られる、厄介な問題も

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病床数800の県立和歌山医科大学病院は別格としても、総合病院が他県に比べて少ないこと、そして問題なのは医科大学の医師がなんと隣県の大阪府阪南市の病院に派遣要請を受けるなど、地域問題が複雑になっていることも事実として挙げられます。大阪府の場合は臨海部の堺市と大阪市に集中して総合病院があるほか、北部にも民間の大規模病院が存在しています。京都府と接することもあって、患者の利便性は大阪都市部になくてもよいわけです。

ところが、大阪府南部は別の意味で「医療過疎」地域であり、同じ大阪でも独特の風土があることで知られます。ただでさえ医師不足の和歌山県から医師が派遣されなければならないほど、近畿地方の医師を巡る状況は複雑なのです。

勤務医の多くは「開業へ」と駒を進める

和歌山県は、人口割合で見て日本一の診療所数を誇る、都道府県の一つとして医療関係者の中では有名です。なぜ開業するのか?それは勤務医として働くことの過酷な状況から抜け出すには、自分で開業するほかはない…という暗黙の了解が和歌山在住の医師の間に日広がっているためです。

ここで、勤務医の状況を調べてみますと、やはり中核となるのが「県立大学」ということから、県職員同様の給与水準しか与えられていない医師の不満が大きいことが挙げられます。和歌山県の場合、民間企業に比較して県職員の給与は低く抑えられており、平成26年の人事委員会の給与勧告では、月額371,019円の平均給与 となり、55歳課長職でようやく年収800万円台に乗る程度となっています。

これをベースに医師や看護師も査定されますが、問題視されるのは「休日の少なさ」「手当の少なさ」に加え、経験値ではなく勤務年数で給与が上がるという公務員査定である、ということです。実際に、常勤医となればアルバイトはできませんし、公務員倫理としても大変な問題となります。

そこから導き出されるキーワードは「開業」。あるいは、小規模病院での勤務医としての入職、兼アルバイトでしょう。へき地勤務で人生を掛けてみようとする医師も少なくありませんが、要は「住民の本気」があるかどうか。つまり県主体の病院では自ずから医療の限界が見えてくるのが実態、ということです。

住民自らが病院を支える地域で、医師は力を発揮できる

和歌山県御坊市湯川町にある「社会医療法人黎明会 北出病院」は病院開設が1963年(昭和38年)、創立以来半世紀にわたる地域医療の要として発展してきた病院のひとつです。特に療養型病床102という数字は大変大きなものであり、そのほかに老人介護施設を併設するなど、大きな役割を担っています。

こうした病院の努力を見るには、医療法人から社会医療法人へと移行していることを考える必要があります。社会医療法人は基本的に「一般病院」が認められない医療事業以外の収益活動も認められ、医師の給与限度もありません。そのため、透明性を確保しつつ、地域住民にサービスを積極的に行う自由度が含まれています。

和歌山県という「神話の里」において、実は和歌山市以外で積極的な病院経営を行っているところがあり、こうした病院に住民が集まってくるという循環が出来上がってきており、先進医療や東洋医学の導入なども行われるなど、様々な条件を探すことで、実は良い転職先も見つかることができるのです。地域の核となる病院を見ることで、住んでよし、仕事をしてよし…となるかどうかが解決できるのです。

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