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COPDに見られる肺疾患患者の急増。対処できる病院は限られている!

気管支喘息、肺炎、肺がんといった肺疾患患者が急増していることから、全国の病院では呼吸器内科の「需要」が逼迫している、といいます。特にアレルギー性疾患や腫瘍性疾患、感染症肺疾患、そして慢性閉塞性肺疾患(睡眠時無呼吸症候群など)と、その領域は拡大の一途を辿っています。
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ですが、問題は多くの要因からなる肺疾患と、高齢化社会での肺疾患患者の自然増という二つの現象から、多くの病院が増え続ける患者に悲鳴をあげていることです。急性期から慢性期、終末期と呼吸器が要因となり、あるいは死亡原因が肺疾患というのも大きな社会問題であり、その対処法が限定的なのも厄介です。呼吸器内科医の専門性と共に、どういった病院で勤務することが、結果として医師の力を高めるかを考えます。

呼吸器内科の問題、アレルギーから肺がんまで、領域の広さをどう捉えるか

全国の大学病院で呼吸器に関する診療科目を調べると、研究の方向性が様々であることがわかります。例えば長野県の信州大学医学部付属病院では「呼吸器・感染症・アレルギー内科」と「呼吸器外科」とを分けています。文字通り、肺がんや肺気腫への処置として外科的領域があるわけですが、他の臓器とは異なり、大量出血という「高いリスク」が存在します。そのため、胸腔鏡手術を積極的に行う札幌市の北海道がんセンターでも、年間百数十ほどしか扱えないのが現実です。それだけ「超難度」である呼吸器外科領域をも、実際には呼吸器内科は兼ねなければならない、という複雑さがあります。

また、アレルギー性肺疾患などは生活環境や勤務環境、社会的環境が要因になることが知られ、自己免疫疾患を克服するには皮膚科などが持つ検査ノウハウを活かす必要も迫られます。また、アレルギー性疾患の治療全般に光明と言える発見「制御性T細胞=Tレグ」(大阪大学免疫学、坂口志文教授)も、呼吸器疾患、とりわけ気管支喘息への治療応用が期待されるひとつと言えます。

従来「肺炎」は死の病と言われていましたが、衛生環境が改善されたことから長らく日本では患者が少なくなっていました。ですが、ここ数年は3大疾病(がん、脳梗塞、急性心筋梗塞)についで4番目の生活習慣病、となっています。その原因には「誤嚥性肺炎」が含まれ、高齢化社会で口腔内のケアが十分でない患者が、嚥下機能障害などで口腔内容物を誤嚥し、結果的に肺疾患に陥ることがわかってきました。そして、腫瘍原因の肺がんに関しては、喫煙の有無を問わず広く発病されることが確認され、呼吸器に関する臨床は非常に広く、複雑であることがわかります。

器官である「肺」を診るか、それとも「肺へ到達するまでの症例」を研究するか

肺そのもので言えば、自然気胸や肺気腫といった症例が多く発生し、その多くは寒冷地で患者の増加が顕著です。2009年(平成21年)日本最大の呼吸器系医師の団体である、日本呼吸器学会は慢性閉塞性肺疾患(=COPD)について、次のコメントを出しています。「COPDとは、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患。呼吸機能検査で正常に復すことのない気流閉塞を示す。気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変が様々な割合で複合的に作用することにより起こり、進行性である。臨床的には徐々に生じる体動時の呼吸困難や慢性の咳、痰を特徴とする」

ここで考えたいのは「喫煙」を原因とすることで、進行性の炎症系疾患が慢性化し、治癒せずに死の病と化すことの実態です。そのため「禁煙外来」を呼吸器科医師が積極的に行っている実態です。予防医学の面とすれば保険適用となる上、診療報酬制度上もしっかりしていることから、呼吸器内科医の「肺がん予防」としての役割が大きく期待される分野と言えます。

これに対し、一旦急性増悪になってしまってから、駆け込んでくる患者の症例は減少する見込みが皆無です。心臓の場合は(心筋梗塞・心不全)腎臓ならば、腎不全、脳なら脳卒中、と併発の可能性のある疾病は非常に多く、10人に1人の死亡率ということから、肺の状態と、疾病以後の状態をどう見極めるのか…といった問題も考えなければなりません。つまり、入院措置にしても「呼吸器内科医がメインなのか、それとも他の診療科の医師なのか…」と言う役割分担や共同臨床も常に行われていなければならないのです。

慢性疾患でさえ、対処できる病院は少ない。できるだけ多くの診療科との総合診療が求められる

大学病院の場合は、患者は研究対象として、様々な症例を丁寧に診てくれる可能性は高いでしょう。ですが、あくまでもそれは生活疾患なのか、アレルギー性なのか、腫瘍性か、COPDなのか…によって担当医が変わって行きます。ですから、勤務医として病院で職を全うするには「generalist doctor」ならば、複数の同僚がいること、あるいは専門医として医療チームに加わるならば、関連性のある他の診療科の専門医がいるかどうかをよく判断すべきでしょう。呼吸器内科ひとつとってみても、今後の医療技術の革新は期待できると考えられます。ぜひ、様々な角度で情報を収集して、臨床に役立てる病院で勤務するべきです。

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