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一般外科への転職、ロボット支援手術と求人との関係

ロボット支援手術が導入されることで、医師の負担は軽くなった反面、患者のリスクは高まっている??
臓器の腫瘍や潰瘍摘出・除去には、開腹手術が欠かせないことから、多くの患者がは術後に傷跡の生々しさに直面する時代が長く続きました。それが、腹腔鏡下手術に取って代わり、今ではピンポイントの侵襲で済むロボット操作による鉗子が、医師の遠隔操作で正確に短時間に手術を終わらせる時代に入りました。全ての外科病院がロボットを導入するだけの体力と医師の確保は困難ですが、今後の展開について患者のリスクを考えてみたいと思います。

一般外科で用いられるダビンチは絶対か?

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アメリカ軍の海外派兵による負傷者手術の激増から、空母からの遠隔操作による手術、という需要が高まった末に誕生した「ダビンチ」。その名もルネサンス時代のレオナルド・ダ・ヴィンチが由来ですが、今や手術支援ロボットの代名詞にもなっているほど有名です。前立腺・腎臓・肺・子宮、そして大腸などの消化器系にまでダビンチは今後「保険対象」となるのは明らかでしょう。

2010年のダビンチを使った全世界の手術件数は、約278,000件。その9割はアメリカに集中しています。基本的にアメリカでは自由診療ですから、適応するガン症例も非常に多様化しています。そのため、2013年では78万件にまで手術件数が増加した、というレポートがあります。

ダビンチの導入には、2.4億円という機材費(為替レートで変動します)に加え、サービス面で780万円ともいわれる年間コストがかかります。ただ、腹腔鏡下手術と違う点は「スコピスト」が不要な点。ご存知のように、カメラを持って腹腔内の映像を拡大したり縮小したり…と主治医の指示に従って行うわけですが、スコピストは圧倒的に足りないのが現実です。研修医や看護師がその役目を行う場合も多く、ダビンチが持つ機能に任せたい、と考えるのは当然のことなのでしょう。

大学病院がダビンチを稼働させないのは、患者への説明不足だ

このように、ダビンチはがん摘出手術に欠かせない手術手技、となりつつあります。ですが、その大きな原因は「医師の負担が少ない」というメリットであることを、病院は正直に公表すべきではないでしょうか?まず、ダビンチが行う中での問題点は「操作」の動き具合、特に力加減が難しいことが挙げられます。ただ、これはひたすら術例を増やすしか技術向上はありえません。

ダビンチが「危険だ」「ロボットによる手術は、万が一が恐ろしい…」などと考える患者もいないわけではありません。そして、そのことについてのデータはまず公開されません。病院側としては一刻も多くのがん症例での保険適応を願っており、その結果多額の出費を伴うダビンチの減価償却が進んでいきます。ですが、患者が放射線療法やホルモン療法(前立腺がんの場合は、まずこの治療法を選ぶ患者が多い)に頼るケースが多く、結果報われない死亡例が多々あるのは周知の事実です。国はアメリカ並みのがんへの認可を急がなければ、「使われないダビンチ」だけが増えていく可能性があります。

ここで「医師の負担が少ない」と書きましたが、これは「オペが多い医師の、過労によるインシデントを防ぐことに役立っている」という点、そしてコンソールから鉗子を操縦することは、器械出しのストレスを低減させること、そして、何よりも感染症の可能性を低くしている数ミリ単位の鉗子とその手術痕が証明してくれます。ですから、医師は患者に自信を持ってダビンチの良さを勧めるべきですし、患者にとってもそれが早期退院に繋がることを積極的に申し伝えるべきなのです。

一般外科でもあいまいな説明が、間違ったセカンドオピニオンに?

ここでは、ダビンチが一番優れている…と断じる文章で終わらせるつもりはありません。ですが、医師不足やがんの原因と目される食生活のアメリカ化と過度なストレス社会構造は、もう如何ともしがたい状況です。この状況からがん手術を見れば、術後の不安を感じ、職場復帰を断念せざるを得ない人々や、患者本人の理解不足をそのまま鵜呑みにして、薬物療法に費やす時間と資金を患者の自由…として任せるよりは、外科医自身が「自分のケースなら、ダビンチを選びます」と宣言してもよいのではないでしょうか。

地方の大学病院では、がん患者がセカンドオピニオン廻りと称して紹介状を持って検査だけを行うケースが増加しています。そのため、実際にダビンチを選んだ患者が、そうしたセカンドオピニオン患者の情報に振り回され、突然キャンセルして転院したり、再び戻ってくるなどというケースが後を絶ちません。なぜ、ロボットがオペの支援をするのでしょうか?ロボットアームが患者の幹部に穴を開け、腫瘍をあっというまに取り去る…のではなく、まず今まで不可能だった立体画像での手わざが行えること、そして人間の手の場合は「手振れ」がありますが、それを極力抑えた正確さがあることなどで、経験の少ない医師にも的確なオペが可能、という説明が必要です。

自動車で言えば、マニュアル車全盛の頃とオートマ車全盛の今、交通事故による死亡者の数はおよそ半分にまで減っています。むろん、原因はそれだけではありません。が、それだけロボット支援手術が全盛になるのは、もはや時間の問題だ、と考えるべきでしょう。外科医ならば、ぜひ症例の多い病院で研鑽を積むのが将来へのステップアップとなります。

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