HOME»診療科別転職 » リウマチ科の治療、精神科や心療内科との住み分けが難しい

リウマチ科の治療、精神科や心療内科との住み分けが難しい

riu
全国で70万人から100万人にもの患者がいると言われる「関節リウマチ」。リウマチ患者の大部分は骨、腱、筋肉に疼痛が及び、全身のだるさや関節の痛みが普段の生活に支障を及ぼすことから、患者の多くは「どの病院で診察を受ければよいのか」というよりも「どの診療科に診て貰えば良いのか」という難問に直面します。特に面倒なのは、30代後半から50代後半にかけての女性がなりやすいのが特徴です(2010年リウマチ白書(社)リウマチ友の会、より)。

加齢を気にする世代の女性にとって、更年期障害のひとつとして勘違いされることもあり、婦人科での治療でも分からない、骨の痛みから整形外科で血液検査をしてもらい、結果リウマチが判明…そういうケースが非常に多いのですが、治療方法は様々であり、漢方薬で治癒したケースや投薬治療も少なくありません。ですが、患者がリウマチの診療に訪れるのは「リウマチ科」「整形外科」だけではありません。関節リウマチによる「副作用」とも言える症状、つまり「うつ」がリウマチとセットとなって、患者を「精神科」や「心療内科」へと導きます。それが、現在リウマチ患者の深刻さを物語っているわけです。

「気分障害(うつ病・躁うつ病)」はリウマチと関係があるのか?

リウマチは免疫性疾患と言われており、骨や関節を破壊してしまうほどの重度な症例にまで発展します。が、血液検査により、リウマチ因子をどの程度持っているのか、そして炎症に対して投薬療法が有効なことがわかってきています。そのため、リウマチ科という専門領域で臨床してもらうことが一番なのは、言うまでもありません。

ですが、最近の傾向として、リウマチと診断された会社員が仕事を休み、結果として「うつ」を発症するなど、様々な影響を与える事例が増えていることが問題となっています。東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターIORRA委員会の会報(IORRAニュース No.16 (2009年 4月))によれば、リウマチ患者の5人に1人が「うつ」の可能性が高い、という結果を公表しています。もちろん、うつ病と診断された割合と断定しているわけではなく、あくまでも「うつ」の症状に類似している、という結果が出ているのです。

ここで、よく考えてみたい問題があります。うつの原因はストレスや食生活を挙げる医師が多いのですが、低血糖症を原因とする説がかなり有力になってきました。糖分を過分に摂取することがストレスを発生させ、それを緩和するために余計に糖分を摂取する。その悪循環にリウマチが重なることで、気分障害が大きくなってしまう、という現実です。つまり、精神科医はリウマチ科の担当医と連携して、投薬や症状を共有していかなければ患者への的確な診断は不可避といえるのです。

精神科と心療内科の領域とリウマチとの関わりの難しさとは

関節リウマチについて考える前に、精神科と心療内科の違いをはっきりさせておく必要があります。一般患者の多くは精神科=精神病の治療というイメージが確立されています。その中には精神病院といわれていた時代の残滓や、実際に鉄格子のある病棟で重度な精神病患者への対応をしなければならない看護師の話を、どこかで聞いているのが大きな理由といえます。とりわけ、中毒患者が精神疾患を発症する例はいとまがなく、精神科の療法は投薬や病棟の環境といった大きな課題を背負っているのです。

これに対し、心療内科は一般的なイメージが確立されていません。その名前から推測できるのは「内科」の一種である、という事実です。内科は身体の臨床ですから、体全般をよく把握しなければなりません。つまりは、精神科のアプローチと内科のアプローチは全く違うということがわかるでしょう。つまり、本来的にはリウマチ科から心療内科という流れならば、内科的な投薬状況やその効き目などの検証もスムーズ、と言われています。が、問題は関節リウマチや膠原病に対してどれだけのスキルを持っているのか、それがどの程度の心療内科のドクターにあるのか…それが一番の問題なのです。

では、精神科で疼痛からのストレスについての臨床が可能なのでしょうか?精神医学は原因が疾病や障害であっても、その経過や特徴的な症例を積み上げることで、脳内の感覚を読み取ることができます。つまりは、完全な経験に加え、ここ数年新しい薬品開発が進んでいることから、緩和ケアは非常に進んでいることも事実なのです。ただ、リウマチと精神科は完全にリンクできるでしょうか?実際にはなかなか難しいのが現実、と言わざるを得ません。患者はリウマチ科と精神科、あるいは心療内科とのダブル通院という結果だけになることで、時間的制約や金銭的なデメリットも享受しなければならないのです。

精神的ストレス緩和の診療科がある病院の方が、臨床に有利

いかがでしょうか?リウマチ科の専門医はその疼痛、激痛への処置、あるいは手術に全力を注ぐことで、臨床医としての力を発揮できるでしょう。ですが、患者の求めているものはそれだけではありません。内科・外科・精神科などと様々な領域をいかにチーム医療で支えるのか…これからの医療は患者の総合的なケアにかかっています。だからこそ、こうした病院でご自分のメディカルスキルを伸ばす好機があれば、ぜひトライしてみるのが患者の一番の幸福に繋がるのは言うまでもないのです。

都道府県を選択 希望診療科目を選択
こだわり条件検索

条件を入力して検索ボタンを押して下さい。

こちらの記事もおすすめ
  • リウマチ科の治療、精神科や心療内科との住み分けが難しい リウマチ科の治療、精神科や心療内科との住み分けが難しい
    リウマチ科の治療、精神科や心療内科との住み分けが難しい 全国で70万人から100万人にもの患者がいると言われる「関節リウマチ」。リウマチ患者の大...
  • 美容整形外科へ転職する医師が増える背景 美容整形外科へ転職する医師が増える背景
    美容整形外科へ転職する医師が増える背景。時間にゆとりのある転科の候補として「美容整形外科」に進む医師も少なくないのです。夜勤がなく、オンコールもなし。...
  • 放射線科の求人募集~読影能力の上達は、医療器機の発達が全てではない。 放射線科の求人募集~読影能力の上達は、医療器機の発達が全てではない。
    地方の市立病院や町立病院では「放射線科医師」の募集が見られる場合があります。放射線技師ではなく、医師である理由はこの「健康診断」にあるからです。転職サ...
  • 心臓血管外科、順天堂大学医院が一躍有名に 心臓血管外科、順天堂大学医院が一躍有名に
    心臓血管外科、順天堂大学医院が一躍有名に 順天堂大学医院を一躍有名にした天野篤医師の手術から読み取るものは天皇の執刀医…一躍その名を日本全国に知...
  • 眼科医はなぜ転職するのか? 眼科医はなぜ転職するのか?
    総合病院での報酬がそれほど高くない、と思われるのか、また開業医の「力量」で患者の量が増減しますので、より高度なスキルを求めて「専門病院」に転職を計るド...
  • «
    »


    メニューリスト